この記事でわかること
- 東京23区の在留外国人650,455人を在留資格別に分類した構成
- 年齢分布から見える東京の外国人コミュニティの実態
- 新宿区・豊島区・荒川区・江戸川区・港区のエリア別在留資格の違い
関連記事
データ出典
- 法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年6月末時点)
- 総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
※本記事は東京23区のデータです。多摩地区・島嶼部は別途公開予定です。
はじめに:技能実習1.7%・留学18.7%——関西とは全く異なる東京の外国人構成
2025年6月末時点で、東京23区の在留外国人は650,455人です。
在留資格のデータを見ると、東京と関西の違いが鮮明に浮かび上がります。
関西では技能実習が10〜20%台と高く、農業・製造業・水産業を支える就労者が多いのに対し、東京23区の技能実習はわずか1.7%(10,865人)にとどまります。代わりに上位を占めるのは永住者(23.8%)・留学(18.7%)・技術人文知識国際業務(17.6%)という知識・サービス業中心の在留資格群です。さらに関西ではほとんど見られなかった高度専門職(1.9%)・経営管理(1.8%)という高度人材・外国人経営者層が東京23区には厚く存在しています。
また年齢データは東京23区については100%公開されており、650,455人全員分の年齢分布を分析できます。
在留資格の用語解説については関西6府県まとめ版の記事もあわせてご参照ください。
東京23区の在留資格構成TOP10
| 順位 | 在留資格 | 人数 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 永住者 | 154,621人 | 23.8% |
| 2 | 留学 | 121,510人 | 18.7% |
| 3 | 技術・人文知識・国際業務 | 114,610人 | 17.6% |
| 4 | 家族滞在 | 69,738人 | 10.7% |
| 5 | 特別永住者 | 30,800人 | 4.7% |
| 6 | 特定活動 | 26,989人 | 4.1% |
| 7 | 日本人の配偶者等 | 22,493人 | 3.5% |
| 8 | 定住者 | 21,024人 | 3.2% |
| 9 | 特定技能1号 | 15,792人 | 2.4% |
| 10 | 技能 | 13,081人 | 2.0% |
永住者(23.8%)と特別永住者(4.7%)を合わせた定住型は185,421人・28.5%です。
大阪(36.8%)・兵庫(41.3%)・京都(32.8%)と比べると定住型の比率はやや低めで、その分、留学・技術人文国際という就労・学習系が高い比率を占めています。
特別永住者(30,800人・4.7%)は大阪の19.0%・兵庫の21.5%と比べて非常に低い水準です。東京23区の外国人コミュニティは、在日コリアンを中心とした歴史的定住コミュニティよりも、近年流入した就労・留学層が主体となっていることを示しています。
特定活動(26,989人・4.1%)はワーキングホリデー・EPA介護・難民申請中の方など多様な活動目的の方が含まれる複合的な在留資格です。
高度専門職1号ロ(12,427人・1.9%)・経営管理(11,908人・1.8%)は関西シリーズでほとんど上位に来なかった在留資格で、外国人エンジニア・研究者・起業家・企業経営者といった高度人材層の厚みが東京の特徴を示しています。
東京23区の年齢分布
| 年齢 | 人数 | 比率 |
|---|---|---|
| 0~4歳 | 17,136人 | 2.6% |
| 5~9歳 | 18,292人 | 2.8% |
| 10~14歳 | 17,773人 | 2.7% |
| 15~19歳 | 31,687人 | 4.9% |
| 20~24歳 | 91,668人 | 14.1% |
| 25~29歳 | 107,609人 | 16.5% |
| 30~34歳 | 89,776人 | 13.8% |
| 35~39歳 | 70,782人 | 10.9% |
| 40~44歳 | 54,721人 | 8.4% |
| 45~49歳 | 40,757人 | 6.3% |
| 50~54歳 | 32,691人 | 5.0% |
| 55~59歳 | 26,753人 | 4.1% |
| 60~64歳 | 20,441人 | 3.1% |
| 65~69歳 | 12,584人 | 1.9% |
| 70~74歳 | 7,924人 | 1.2% |
最も多いのは25〜29歳(107,609人・16.5%)で、次いで20〜24歳(91,668人・14.1%)・30〜34歳(89,776人・13.8%)と続きます。20〜29歳の合計は199,277人・30.6%と、東京23区の外国人の約3人に1人が20代という計算になります。この層は留学・技術人文国際・特定技能・特定活動(ワーキングホリデー等)などの在留資格を持つ若い就労・学習者が中心です。
注目すべきは0〜14歳の子ども層(53,201人・8.2%)の高さです。
関西の大阪府(6.4%)・兵庫県(4.9%)と比べて高く、東京23区には外国人の子育て世代が多く定住していることを示しています。永住者・定住者・日本人の配偶者等として長期定住する外国人家族が、子どもを伴って東京で生活しているケースが多いと考えられます。
一方で60歳以上は40,949人・6.3%にとどまり、東京23区の外国人コミュニティは全体的に若い年齢構成になっています。
注目エリア5選:学習型 vs 定住型の二極化
新宿区:留学33.6%——多国籍の学習・就労層が集まる街
新宿区の在留外国人51,263人は、留学(17,229人・33.6%)・永住者(9,220人・18.0%)・技術人文国際(7,985人・15.6%)・家族滞在(4,840人・9.4%)の順です。
留学33.6%が最多という構成は、新宿区に大学・日本語学校・専門学校が集積していることを反映しています。またランキング記事で触れた通り、在留外国人の国籍は中国人(48.0%)・韓国人(23.5%)・ネパール人(13.4%)と多国籍で、新大久保周辺には留学・就労ビザを持つ若い外国人が多く暮らしています。留学資格の後に技術人文国際(15.6%)へ移行する流れも新宿区の特徴です。
豊島区:留学34.3%・特定活動10.1%——若い国際色豊かなエリア
豊島区の在留外国人38,409人は、留学(13,159人・34.3%)・技術人文国際(6,842人・17.8%)・永住者(5,089人・13.2%)・特定活動(3,861人・10.1%)の順です。
留学34.3%は5エリアの中で最高で、池袋周辺の日本語学校・専門学校への留学生が多いことが背景にあります。特定活動(10.1%)も目立ちますが、この中にはワーキングホリデービザでの在留者が含まれており、欧米・オーストラリアなどからの若い外国人も豊島区に集まっています。ランキング記事で触れたミャンマー人コミュニティ(池袋ミャンマータウン)も、留学・就労系の在留資格を持つ方が中心です。
荒川区:永住23.5%・留学22.3%——歴史と新潮流が共存
荒川区の在留外国人25,235人は、永住者(5,940人・23.5%)・留学(5,630人・22.3%)・技術人文国際(3,413人・13.5%)・特別永住者(2,529人・10.0%)の順です。
5エリアの中で最もバランスが取れた構成で、歴史的な定住コミュニティ(永住者23.5%・特別永住者10.0%)と、新しい留学・就労層(留学22.3%・技術人文国際13.5%)がほぼ同じ比率で共存しています。南千住・三河島周辺の在日コリアン・中国人コミュニティの歴史と、近年増加するネパール人・ミャンマー人コミュニティの新潮流が交差するエリアです。
江戸川区:永住27.5%・家族滞在15.8%——定住家族型の外国人コミュニティ
江戸川区の在留外国人51,999人(23区最多)は、永住者(14,298人・27.5%)・技術人文国際(8,918人・17.2%)・家族滞在(8,220人・15.8%)・留学(5,889人・11.3%)の順です。
永住者(27.5%)と家族滞在(15.8%)を合わせると43%超と、家族単位で長期定住する外国人コミュニティの厚さが際立っています。ランキング記事で取り上げた西葛西のインド人コミュニティは、IT企業勤務の技術人文国際資格を持つ就労者とその家族(家族滞在)が中心となっており、このデータと一致します。子育て世代の外国人家族が多く、インド人学校・ヒンドゥー寺院・インド料理店が集積する生活インフラが整っています。
港区:永住29.1%・家族16.0%——高所得定住層と高度専門職の集積地
港区の在留外国人24,545人は、永住者(7,135人・29.1%)・家族滞在(3,935人・16.0%)・技術人文国際(3,738人・15.2%)・特別永住者(1,125人・4.6%)の順です。
永住者29.1%が最多という構成は、六本木・麻布・白金など高所得エリアを擁する港区に長期定住した外国人が多いことを示しています。技術人文国際(15.2%)には外資系企業・大使館・国際機関勤務の専門職外国人が多く含まれており、家族滞在(16.0%)はその配偶者・子どもが中心です。5エリアの中で最も「高度人材・高所得層の定住」という特徴が際立ちます。
まとめ
東京23区の在留外国人650,455人は、在留資格の観点から「留学・就労型の若い外国人が中心」という特徴が際立っています。技能実習1.7%という低さは、東京の外国人コミュニティが農業・製造業ではなく、IT・金融・観光・飲食サービス・学術といった産業を担っていることを示しています。
エリアごとの顔は大きく異なります。新宿区・豊島区の「留学33〜34%」という学習型コミュニティ、江戸川区・港区の「永住27〜29%」という定住家族型、そして荒川区の歴史的コミュニティと新潮流の共存——同じ東京23区でも、在留資格を通じて見えるコミュニティの姿は全く異なります。
東京23区内のより詳しい外国人分布データは東京23区で外国人が多い区ランキングもあわせてご覧ください。
データ出典・免責事項
- 在留外国人数・在留資格・年齢:法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年6月末現在
- 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
本記事に掲載しているデータは法務省「在留外国人統計」の市区町村×在留資格×年齢の公開データを集計したものです。本記事は東京23区のデータに限定しています。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。

