永住・定住型37%は東京超え——神奈川県に「根を張る外国人」が多い本当の理由【2025年版】

関東

この記事でわかること

  • 神奈川県の在留外国人306,363人を在留資格別に分類した構成
  • 年齢分布から見える神奈川の外国人コミュニティの実態
  • 横浜市中区・川崎市川崎区・愛川町・横浜市鶴見区のエリア別在留資格の違い

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データ出典

  • 法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年6月末時点)
  • 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)

はじめに

神奈川県の在留外国人数は306,363人に達し、総人口に対する比率は3.3%となっています。この数字以上に注目すべきは、その「定住」の深さです。永住者と特別永住者を合わせた「定住型」の比率は37.1%(113,781人)にのぼります。

これは東京23区の定住型比率(28.5%)と比較しても一際高く、神奈川がいかに長期にわたって外国人コミュニティを育んできたかがわかります。なお、在留資格の細かな用語については、関連記事のリンクも参考にしてください。


神奈川県の在留資格構成TOP10

順位在留資格人数比率
1永住者98,625人32.2%
2技術・人文知識・国際業務41,737人13.6%
3家族滞在29,532人9.6%
4留学20,727人6.8%
5特定技能1号20,064人6.5%
6定住者16,588人5.4%
7特別永住者15,156人4.9%
8日本人の配偶者等13,926人4.5%
9技能実習2号ロ11,622人3.8%
10特定活動7,518人2.5%

上位を見ると、永住者が32.2%と約3人に1人を占めていることがわかります。これに特別永住者(15,156人・4.9%)を加えると、定住層の厚みはさらに増します。

特別永住者とは、第二次世界大戦以前から日本に在住していた朝鮮半島・台湾出身者およびその子孫の方々に付与される在留資格です。一般の永住者とは異なる歴史的経緯を持つ制度で、神奈川の歴史を形作ってきたコミュニティです。

また、製造業や宿泊業での受け入れを反映し、技能実習の合計は19,659人(6.4%)に達しています。目を引くのが比較的新しい就労資格である特定技能1号(20,064人・6.5%)の高さで、東京23区(2.4%)と比べても、神奈川での受け入れが活発であることがわかります。


神奈川県の年齢分布

※年齢データは全体306,363人のうち約89.3%(273,618人)分が公開されています。以下は公開データに基づく数値です。

年齢人数比率
0~4歳8,851人2.9%
5~9歳9,243人3.0%
10~14歳8,470人2.8%
15~19歳9,688人3.2%
20~24歳31,667人10.3%
25~29歳41,723人13.6%
30~34歳36,846人12.0%
35~39歳29,835人9.7%
40~44歳23,675人7.7%
45~49歳18,249人6.0%
50~54歳15,499人5.1%
55~59歳13,703人4.5%
60~64歳10,295人3.4%
65~69歳6,469人2.1%
70~74歳4,104人1.3%

年齢分布を見ると、25〜29歳(41,723人・13.6%)が最も多く、働き盛りの層が中心であることがわかります。20代全体(20〜29歳)で見ると約4人に1人を占めており、地域の活力を支える大きな存在です。

その一方で、0〜14歳の子ども層も26,564人(8.7%)と一定数存在します。単なる短期就労ではなく、家族を呼び寄せて地域で子育てをしながら暮らす世帯が根付いていることを示しています。


注目エリア4選:在留資格で見る4つの顔

①横浜市中区(在留外国人19,901人)

横浜中華街を擁する中区を見ると、そのコミュニティの厚みを実感できます。

  • 永住者:7,142人(35.9%)
  • 家族滞在:2,688人(13.5%)
  • 留学:2,156人(10.8%)
  • 技術・人文知識・国際業務:2,106人(10.6%)

最多は永住者(35.9%)で、長期定住した中国人コミュニティの厚さが際立ちます。
家族滞在(13.5%)も高く、世帯単位での定住が進んでいます。留学(10.8%)と技術人文国際(10.6%)がほぼ拮抗しており、学び・就労両面での外国人が共存するエリアです。

②川崎市川崎区(在留外国人21,356人)

川崎区は、歴史的な背景と新しい時代の流れが交差するエリアです。

  • 永住者:6,374人(29.8%)
  • 技術・人文知識・国際業務:3,187人(14.9%)
  • 特別永住者:2,046人(9.6%)
  • 家族滞在:2,001人(9.4%)

目を引くのが特別永住者(9.6%)の多さです。桜本地区周辺など、戦前から続く在日コリアンの歴史的コミュニティが今も根付いています。近年はベトナムやフィリピンなどの新しい就労層も増えており、歴史的コミュニティと新しい就労層が共存する重層的な顔を持っています。

③愛川町(在留外国人3,891人)

人口約39,000人の小さな町ながら、外国人比率9.9%という数字を持つのが愛川町です。

  • 永住者:1,600人(41.1%)
  • 定住者:502人(12.9%)
  • 技術・人文知識・国際業務:444人(11.4%)
  • 特定技能1号:223人(5.7%)

永住者比率41.1%は今回紹介する4エリアの中で最も高く、長期にわたって定住してきた外国人コミュニティの厚さを示しています。定住者(12.9%)には日系南米人が多いとみられ、ランキング記事でペルー人・ブラジル人の多さが確認されていることとも一致します。特定技能1号(5.7%)も一定数おり、地域の製造業を支えています。

④横浜市鶴見区(在留外国人18,077人)

下町の風情が残る鶴見区は、多国籍な就労・定住コミュニティが根付くエリアです。

  • 永住者:5,938人(32.8%)
  • 技術・人文知識・国際業務:2,613人(14.5%)
  • 家族滞在:1,985人(11.0%)
  • 定住者:1,295人(7.2%)

永住者と定住者を合わせた定住層が4割を占めています。ベトナム・ネパール・フィリピンなど多様な国籍の就労者が集まるだけでなく、その家族も共に暮らす家族滞在(11.0%)の多さが目立ちます。就労・定住・家族が揃った、多国籍コミュニティの集積地となっています。


まとめ

神奈川県の外国人コミュニティを分析すると、以下の大きな特徴が見えてきました。

定住コミュニティの厚さ:永住者と特別永住者を合わせた定住型は37.1%と高く、東京23区(28.5%)を大きく上回ります。

新しい就労層の流入:特定技能1号が6.5%(20,064人)と、東京23区(2.4%)より高い水準で受け入れられています。

エリアごとの多様な背景:横浜中区の中華街型定住・川崎区の歴史的コミュニティ・愛川町の日系南米人・鶴見区の多国籍就労層など、地域ごとに全く異なる顔があります。

神奈川県の国籍別データは神奈川県で外国人が多い街ランキングもあわせてご覧ください。


データ出典・免責事項

本記事に掲載しているデータは法務省「在留外国人統計」の市区町村×在留資格×年齢の公開データを集計したものです。年齢分布は公開データの約89.3%分に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。

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