この記事でわかること
- 千葉県59市区町村の外国人比率ランキングTOP20(2025年6月末最新データ)
- 富里市・成田市・千葉市美浜区・八街市など注目エリアの国籍別内訳と背景
- 国籍別(中国・韓国・ベトナム・フィリピン・ネパール)の集住エリアランキング
- 比率トップと絶対数トップで「街の見え方」がまるで変わる理由
千葉県内を移動していると、ふと気づく場面があります。
成田空港方面に向かう電車の車窓には広大な田畑が広がり、その脇にスリランカ料理店の看板が立っていたり、幕張のオフィス街では中国語で会話するビジネスパーソンとすれ違ったり。
農業エリアと国際ビジネス拠点が同じ県内に共存しているのが、千葉の面白さといえるでしょう。
実際、千葉県の在留外国人は247,580人。県全体の住民基本台帳人口6,310,158人に対する比率は3.9%で、「約26人に1人が外国籍」という水準です。
埼玉県(3.8%)や神奈川県(3.3%)と近く、首都圏でも高めの水準にあります。日常生活の中でも、外国にルーツを持つ人とすれ違う機会が珍しくない規模感です。
では、その外国人はどの街に多く住んでいるのでしょうか。
比率で見ると、空港のある成田市ではなく隣の富里市がトップだったりと、数字の裏には思わず「へえ!」と声が出るような背景が潜んでいます。
今回は、2025年6月末時点の最新データをもとに、千葉県59市区町村を徹底解説します。
千葉県・外国人比率ランキングTOP20(全59市区町村)
「外国人が多い」を測るものさしには、大きく2つあります。
比率(その街の人口に占める外国人の割合)と人数(実際に暮らす外国人の絶対数)です。この2つは、見える景色がまったく違います。
比率が高い=人口に占める外国籍住民の割合が高い。
でも人数が多い=コミュニティとしての規模が大きい。
どちらも「外国人が多い街」とは言えますが、街の雰囲気はかなり異なるものです。

| 順位 | 市区町村 | 在留外国人数 | 住基人口(2023年) | 外国人比率 | 目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 富里市 | 4,425人 | 49,668人 | 8.9% | 約11人に1人 |
| 2 | 成田市 | 10,996人 | 132,023人 | 8.3% | 約12人に1人 |
| 3 | 千葉市美浜区 | 11,081人 | 152,816人 | 7.3% | 約14人に1人 |
| 4 | 八街市 | 4,566人 | 67,006人 | 6.8% | 約15人に1人 |
| 5 | 酒々井町 | 1,154人 | 20,207人 | 5.7% | 約18人に1人 |
| 6 | 銚子市 | 2,892人 | 55,016人 | 5.3% | 約19人に1人 |
| 7 | 松戸市 | 25,828人 | 498,222人 | 5.2% | 約19人に1人 |
| 8 | 芝山町 | 347人 | 6,776人 | 5.1% | 約20人に1人 |
| 9 | 山武市 | 2,429人 | 48,369人 | 5.0% | 約20人に1人 |
| 10 | 市川市 | 23,847人 | 492,895人 | 4.8% | 約21人に1人 |
| 11 | 多古町 | 637人 | 13,588人 | 4.7% | 約21人に1人 |
| 12 | 神崎町 | 260人 | 5,679人 | 4.6% | 約22人に1人 |
| 13 | 千葉市中央区 | 9,528人 | 213,881人 | 4.5% | 約22人に1人 |
| 14 | 千葉市花見川区 | 7,905人 | 177,254人 | 4.5% | 約22人に1人 |
| 15 | 八千代市 | 9,019人 | 205,748人 | 4.4% | 約23人に1人 |
| 16 | 四街道市 | 4,096人 | 96,479人 | 4.2% | 約24人に1人 |
| 17 | 東金市 | 2,368人 | 56,867人 | 4.2% | 約24人に1人 |
| 18 | 千葉市若葉区 | 6,146人 | 147,250人 | 4.2% | 約24人に1人 |
| 19 | 船橋市 | 25,932人 | 648,331人 | 4.0% | 約25人に1人 |
| 20 | 野田市 | 5,995人 | 153,815人 | 3.9% | 約26人に1人 |
※芝山町(347人)・神崎町(260人)・多古町(637人)・酒々井町(1,154人)は比率上位ですが、在留外国人の絶対数が少ないため、比率だけでなく人数規模もあわせて見る必要があります。
外国人比率が高いエリア4選:数字の背景を読み解く
1位:富里市(外国人比率8.9%)|スリランカ・農業・多国籍の均衡

県内トップを走るのが、成田市の南隣に位置する富里市です。約11人に1人が外国籍という街を歩けば、地元のスーパーや農道でも複数の言語が飛び交う光景に出会えるほどの厚みがあります。
在留外国人4,425人の国籍別内訳は、スリランカ人(801人・18.1%)が最多で、次いでベトナム人(723人・16.3%)・フィリピン人(699人・15.8%)・中国人(406人・9.2%)・ネパール人(347人・7.8%)と続きます。
特筆すべきは、スリランカ人の存在感です。成田空港周辺の農業・食品加工業との関わりも背景のひとつと考えられ、同様の産業構造を持つ八街市でも同国籍が上位に入っています。「成田周辺の農業エリア=スリランカ人」という構図は、千葉ならではの面白いパターンのひとつといえるでしょう。
そして富里市のもうひとつの特徴は、特定の国籍に偏りすぎていないことです。上位5国籍がほぼ横並びで、多国籍が均衡している。これほどバランスの取れた構成は、県内でも珍しいのかもしれません。
2位:成田市(外国人比率8.3%)|ネパール最多、空港が生む多様な就労需要

日本屈指の国際空港を擁しながら、その外国人構成は「観光の玄関口」というイメージを大きく裏切ります。
在留外国人10,996人の国籍別内訳は、ネパール人(2,190人・19.9%)が最多で、次いでフィリピン人(1,490人・13.6%)・ベトナム人(1,281人・11.6%)・中国人(1,178人・10.7%)・スリランカ人(1,130人・10.3%)と続きます。
なんと、ネパール人が最多となっています。空港関連の物流・地上業務・ホテル・飲食といった多様な就労ニーズが、これほど幅広い国籍を引き寄せているとみられます。
近年、ネパールからの在留外国人は日本全国で増加傾向にあり(参照:出入国在留管理庁「在留外国人統計」)、成田はその受け皿のひとつになっているといえるのでしょう。
TOP5の国籍がほぼ均等に10〜20%台に分散しているバランスの良さは、千葉県内でも成田市特有の傾向です。空港都市らしい多国籍な構成が、データにも表れていると言えそうです。
3位:千葉市美浜区(外国人比率7.3%)|中国人が過半数、幕張の国際ビジネス拠点

幕張新都心を抱えるこのエリアは、これまでの2市とは明確に異なる色を持っています。
在留外国人11,081人の国籍別内訳は、中国人(5,996人・54.1%)が過半数を占め、次いでベトナム人(1,320人・11.9%)・韓国・朝鮮籍(657人・5.9%)・フィリピン人(628人・5.7%)・インドネシア人(485人・4.4%)と続きます。
中国人が54.1%と過半数を超えており、他の地域と比べて特定国籍への集中度が際立っています。幕張周辺に集積するIT企業・外資系企業、教育機関などの存在が、中国籍住民の多さと関係している可能性があります。千葉市全体の中でも、美浜区は一際国際色が濃いエリアといえるでしょう。
同区の在留外国人11,081人という絶対数は、比率ランキング3位でありながら松戸市・船橋市に迫る規模であり、幕張という都市機能の集積が数字にも如実に表れています。
4位:八街市(外国人比率6.8%)|落花生の産地に広がるスリランカ人コミュニティ

落花生の産地として全国的に有名な農業都市、八街市にも独自の集住パターンが形成されています。
在留外国人4,566人の国籍別内訳は、スリランカ人(1,221人・26.7%)が最多で、次いでベトナム人(686人・15.0%)・中国人(526人・11.5%)・フィリピン人(431人・9.4%)・インドネシア人(337人・7.4%)と続きます。
富里市と同様にスリランカ人が最多となっており、両市を並べてみると「成田周辺の農業エリア=スリランカ人コミュニティ」という千葉ならではの地域構造が浮かび上がります。農業・食品加工業との関わりも背景のひとつと考えられ、富里市(18.1%)よりさらに高い26.7%という集中度は、この地域とスリランカ人コミュニティとの結びつきの深さを示しているといえるでしょう。
国籍別で見る外国人集住エリア
比率ランキングとは別の視点として、「国籍ごとにどの街に集まっているか」を見ると、千葉県の外国人コミュニティの構造がより立体的に見えてきます。
中国人が多い地域 TOP5

船橋市・松戸市・市川市の東葛エリアが上位を独占し、次いで幕張を擁する千葉市美浜区が続きます。都心(都区部)への交通アクセスが良く、商業・IT・教育機関が集まるこれらの街には、就労・留学目的の中国籍の方々が多く暮らしているとみられます。特に松戸・市川は東京都心から電車で20〜30分圏内という利便性が、長期居住のコミュニティ形成につながっているのではないでしょうか。
韓国人が多い地域 TOP5(朝鮮籍含む)

中国人と同様に東葛エリアが上位を占めていますが、人数規模は中国籍の5〜6分の1程度にとどまります。千葉市中央区が4位に入っているのは、県庁所在地としての商業機能や、JR千葉駅周辺の飲食・サービス業の集積が関係しているとみられます。
ベトナム人が多い地域 TOP5

近年、日本全国でベトナム国籍の在留外国人は急増しており(参照:出入国在留管理庁「在留外国人統計」)、千葉県でもその傾向が色濃く出ています。船橋市の5,320人は圧倒的な規模で、製造業・飲食業・物流業など幅広い業種での就労者が集まっているとみられます。既存のコミュニティの存在も、新たな居住者が地域を選ぶ要因のひとつになっているのかもしれません。
フィリピン人が多い地域 TOP5

他の国籍と異なり、2位に工業都市・市原市が入っているのが目を引きます。市原市は製造業・石油化学工業が集積する地域で、フィリピン人を中心とした工場労働者のコミュニティが形成されているとみられます。また5位の成田市は、空港関連のサービス業での需要が大きいとみられ、国際空港都市ならではの就労ニーズを映しているのでしょう。
ネパール人が多い地域 TOP5

全国的なネパール人増加の波は千葉でも顕著で、松戸・市川・船橋という都市部に加え、成田市も4位に食い込んでいます。成田においては空港関連の物流・ホテル業が就労先として機能しているとみられます。5位の我孫子市は他のランキングでは登場しない顔ぶれで、ネパール人コミュニティの広がりが都心近郊の小さな街にまで及んでいることを示す興味深いデータといえます。
まとめ
こうして見てくると、「千葉県で外国人が多い街」という一言では、あまりにも雑すぎるとわかります。
比率トップの富里市は、農業と食品加工業を背景にスリランカ・ベトナム・フィリピンが多国籍で均衡するコミュニティ。国際空港の成田市は、物流・ホテル・飲食という空港都市の就労構造を反映してネパール人が最多という意外性。
幕張の千葉市美浜区は、IT・外資系企業のビジネス拠点として中国人が過半数を占める構成。農業都市・八街市では、スリランカ人コミュニティと地域の農業・食品加工業との結びつきが見えてきます。
これだけ異なる「顔」がひとつの県に共存しているのが、千葉県の面白さではないでしょうか。
絶対数では松戸市・船橋市が25,000人超えで圧倒的な規模を誇りながら、比率では中位にとどまるというギャップも含め、「数字の読み方次第で街の見え方が変わる」という体験を、このランキングから感じ取ってもらえると嬉しいなと思います。
自分の住む街にある多文化な一面を、少し違った角度から見るきっかけになればと思います。
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補足:数字を見るときに気をつけたいこと
比率で見るか、人数で見るかで順位は変わる
この記事では「外国人比率」を基準にランキングしています。なので、1位は富里市(8.9%)になります。でも人数だけで見ると、実は船橋市が25,932人で県内トップです。人口が多い地域では、比率がそこまで高くなくても、在留外国人の人数は多くなります。ここは、数字を見るときに少し注意したいところです。
国籍別の数字だけでは、街の全部はわからない
国籍別の人数を見ると、「この地域にはこの国の人が多いんだ」と分かります。ただ、同じ国籍でも、留学で来ている人、仕事で来ている人、家族で暮らしている人、長く日本に住んでいる人など、背景はさまざまです。なので、数字はあくまで入口です。そこから街の歴史や暮らし方を見ていくと、だんだん面白くなってくるのだと思います。
「外国人が多い街」といっても、中身はかなり違う
富里市・八街市は農業・食品加工業を軸にスリランカ人が集住する農村型コミュニティ、成田市は空港が生む多様な就労需要を背景にネパール人が最多の国際都市型、千葉市美浜区は幕張の外資系・IT企業を中心に中国人が過半数を占めるビジネス拠点型、松戸市・船橋市・市川市は都心アクセスの良さから中国・ベトナム・ネパール各コミュニティが大規模に共存する都市型。同じ「外国人が多い街」でも、背景まで見るとかなり印象が変わります。
データの時点は完全にはそろっていない
今回使っているデータは、在留外国人数が2025年6月末時点、住民基本台帳人口が2023年のものです。そのため、外国人比率は厳密な最新値というより、「地域ごとの傾向を見るための目安」として見てもらえるとよいと思います。
データ出典・免責事項
・在留外国人数:法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年6月末現在
・総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
・農林水産省「外国人農業技能実習生の受入れ状況」(農業分野の就労背景の参考情報として)
※本記事に掲載しているデータは、公的統計に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月末)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。