東京多摩の外国人12万人——23区より定住率が高いエリア別の実態【在留資格別2025】

在留資格・年齢別分析

この記事でわかること

  • 東京23区外(多摩地区・島嶼部)の在留外国人124,885人を在留資格別に分類した構成
  • 年齢分布から見える多摩地区の外国人コミュニティの実態(参考値)
  • 八王子市・福生市・武蔵野市・立川市・町田市のエリア別在留資格の違い

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データ出典

  • 法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年6月末時点)
  • 総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)

※本記事は東京23区外(多摩地区・島嶼部)のデータです。


はじめに:永住者27.9%・定住型33.7%——23区より厚い定住コミュニティ

2025年6月末時点で、東京23区外(多摩地区・島嶼部)の在留外国人は124,885人です。

在留資格別のデータを23区(650,455人)と比較すると、多摩地区・島嶼部の特徴が浮かび上がります。永住者は多摩地区27.9%に対し23区は23.8%、定住型(特別永住者+永住者)は多摩33.7%に対し23区28.5%と、多摩地区の方が定住型の比率が高くなっています。

一方で技能実習は多摩5.3%に対し23区1.7%と、多摩地区の方が製造業・農業での就労者が多い実態が見えます。ただし関西の奈良(17.1%)・和歌山(20.9%)と比べると依然として低く、東京全体として就労型より定住・就労専門職型が中心であることに変わりはありません。

在留資格の用語解説については東京23区の在留資格・年齢別分析記事もあわせてご参照ください。


東京23区外の在留資格構成TOP10

順位在留資格人数比率
1永住者34,896人27.9%
2留学20,326人16.3%
3技術・人文知識・国際業務14,663人11.7%
4家族滞在10,809人8.7%
5特別永住者7,228人5.8%
6日本人の配偶者等6,556人5.2%
7特定技能1号6,543人5.2%
8定住者4,728人3.8%
9技能実習2号ロ4,003人3.2%
10特定活動3,588人2.9%

永住者(27.9%)が最多で、特別永住者(5.8%)と合わせた定住型は42,124人・33.7%と全体の3分の1以上を占めます。

特別永住者(7,228人・5.8%)は23区(4.7%)よりやや高い比率です。特別永住者とは戦前から日本に在住していた朝鮮半島・台湾出身者およびその子孫に付与される在留資格で、多摩地区各市にも歴史的な在日コリアン・在日中国人コミュニティが根付いています。

技能実習合計(6,636人・5.3%)は23区(1.7%)の約3倍で、多摩地区・島嶼部の方が製造業・農業での技能実習受け入れが進んでいます。ただし留学(16.3%)・技術人文国際(11.7%)という専門職・学習系も厚く、23区との構造的な差は小さいといえます。


年齢分布(参考値)

※東京23区外の年齢別データは全体124,885人のうち約54%(67,326人)分のみ公開されています。以下は参考値です。

年齢人数(参考)比率(参考)
0~4歳1,813人1.5%
5~9歳1,788人1.4%
10~14歳1,551人1.2%
15~19歳2,930人2.3%
20~24歳11,493人9.2%
25~29歳10,732人8.6%
30~34歳8,161人6.5%
35~39歳6,521人5.2%
40~44歳4,999人4.0%
45~49歳4,171人3.3%
50~54歳3,718人3.0%
55~59歳3,260人2.6%
60~64歳2,452人2.0%
65~69歳1,493人1.2%
70~74歳949人0.8%

公開データの範囲内では、20〜24歳(11,493人・9.2%)と25〜29歳(10,732人・8.6%)がともに最多層で、20〜29歳合計は22,225人・17.8%です。23区の同比率(30.6%)と比べると低く、多摩地区は若い留学・就労層の比率が相対的に低く、定住型の外国人コミュニティが厚い構造を反映しています。

0〜14歳の子ども層は5,152人・4.1%で、23区(8.2%)より低い水準です。ただしデータは全体の約54%分のため、傾向の参考としてご活用ください。


注目エリア5選:在留資格で見る5つの顔

八王子市:留学25.7%=永住者25.7%——大学都市と定住コミュニティの共存

八王子市の在留外国人18,431人(多摩地区最多)は、留学(4,733人・25.7%)と永住者(4,728人・25.7%)がほぼ同数でトップを分け合い、次いで技術人文国際(1,785人・9.7%)・家族滞在(1,386人・7.5%)と続きます。

留学と永住者が拮抗するという構成は5エリアの中で八王子市だけの特徴です。多数の大学・専門学校が集積する「大学都市・八王子」としての顔と、長年にわたって根付いた定住コミュニティの厚みが均衡した、多摩地区を代表するバランス型のエリアです。

福生市:永住者21.7%・留学16.8%——基地の街の意外なコミュニティ

福生市の在留外国人4,865人は、永住者(1,058人・21.7%)・留学(818人・16.8%)・技術人文国際(711人・14.6%)・家族滞在(647人・13.3%)と、複数の在留資格がバランスよく分散しています。

横田基地を擁する福生市ですが、在留資格データからは在日米軍家族より永住者・留学・就労系の外国人が中心であることがわかります。ランキング記事でも触れた通り、最多国籍はベトナム人(37.0%)・ネパール人(27.7%)であり、製造業・サービス業での就労者と留学生が主体のコミュニティです。

武蔵野市:技術人文国際18.4%・留学18.3%——高度就労と学習の国際都市

武蔵野市の在留外国人4,380人は、永住者(1,023人・23.4%)・技術人文国際(806人・18.4%)・留学(802人・18.3%)・家族滞在(467人・10.7%)の順です。

技術人文国際と留学がほぼ同率という構成は武蔵野市の特徴で、国際基督教大学(ICU)をはじめとする大学の集積と、外資系企業・専門職の就労者の存在が背景にあります。ランキング記事でも触れた米国人(10.7%)の多さもこの構成と連動しており、欧米系の専門職外国人が多く暮らすエリアです。

立川市:永住者29.6%——多摩の商業中心地の定住コミュニティ

立川市の在留外国人6,556人は、永住者(1,938人・29.6%)・技術人文国際(764人・11.7%)・留学(738人・11.3%)・特定技能1号(557人・8.5%)の順です。

永住者29.6%が5エリアの中で際立って高く、多摩地区の商業・交通の中心地として長期定住した外国人コミュニティが厚い構造です。また特定技能(8.5%)が5エリアの中で最高水準で、商業・飲食業での外国人就労者受け入れが進んでいることも特徴です。

町田市:永住者32.3%——神奈川県境の定住型コミュニティ

町田市の在留外国人10,688人(多摩地区2位の絶対数)は、永住者(3,456人・32.3%)・技術人文国際(1,256人・11.8%)・留学(1,254人・11.7%)・家族滞在(1,029人・9.6%)の順です。

永住者32.3%は5エリアの中で最も高く、神奈川県相模原市と隣接する地理的特性もあり、長年にわたって定住してきた外国人コミュニティが厚いエリアです。技術人文国際と留学がほぼ同率という点も八王子市・武蔵野市と共通しており、就労・学習型との共存が多摩地区の特徴といえます。


まとめ

東京23区外(多摩地区・島嶼部)の在留外国人124,885人は、永住者27.9%・定住型33.7%という定住コミュニティの厚さが最大の特徴です。23区(定住型28.5%)より定住型の比率が高く、技能実習も5.3%と23区(1.7%)より高いなど、都心部とは異なる外国人コミュニティの構造があります。

エリアごとの顔は様々で、八王子市の「留学=永住者」という均衡型、武蔵野市の高度就労・学習型、立川市・町田市の定住型主体など、多摩地区の多様な外国人コミュニティが在留資格を通じて見えてきます。

多摩地区・島嶼部のより詳しい外国人分布データは東京都(多摩地区・島嶼部)で外国人が多い街ランキングもあわせてご覧ください。


データ出典・免責事項

本記事に掲載しているデータは法務省「在留外国人統計」の市区町村×在留資格×年齢の公開データを集計したものです。年齢分布は公開データの一部(約54%)のみを掲載した参考値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。本記事は東京23区外(多摩地区・島嶼部)のデータに限定しています。

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