埼玉の外国人27万人——川口・蕨に集中する理由を在留資格・年齢別に解説【2025年版】

関東

この記事でわかること

  • 埼玉県の在留外国人277,209人を在留資格別に分類した構成
  • 年齢分布から見える埼玉の外国人コミュニティの実態(参考値)
  • 蕨市・川口市・草加市・八潮市のエリア別在留資格の違い

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データ出典

  • 法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年6月末時点)
  • 総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)

はじめに

埼玉県の在留外国人数は277,209人にのぼり、比率は3.8%となっています。このデータを詳しく読み解くと、埼玉ならではの際立った特徴が見えてきます。

目を引くのは、就労系の在留資格の厚さです。技能実習が9.1%(25,213人)、特定技能1号が7.7%(21,450人)を占めています。これは神奈川(技能実習6.4%・特定技能6.5%)や東京23区(技能実習1.7%・特定技能2.4%)と比較しても突出して高い数字です。

製造業の集積地として知られる埼玉県の産業構造が、そのまま在留資格の構成にも色濃く反映されていると言えるでしょう。


埼玉県の在留資格構成TOP11

順位在留資格人数比率
1永住者75,979人27.4%
2技術・人文知識・国際業務36,540人13.2%
3家族滞在30,299人10.9%
4留学24,756人8.9%
5特定技能1号21,450人7.7%
6定住者15,572人5.6%
7技能実習2号ロ14,849人5.4%
8日本人の配偶者等11,471人4.1%
9特定活動9,250人3.3%
10技能実習1号ロ8,455人3.1%
11特別永住者7,937人2.9%

ランキングを眺めると、まず永住者が27.4%と最多ですが、これに特別永住者を加えた「定住型」の比率は30.3%(83,916人)となります。神奈川の37.1%と比較すると、埼玉はより「新しくやってきた就労者」のエネルギーが強いことがわかります。

特に驚かされるのが技能実習合計(9.1%)の高さです。他県を圧倒するこの数字は、製造業の現場を支える就労者が埼玉に集まっていることを物語っています。さらに特定技能1号(7.7%)も神奈川(6.5%)を上回る水準で、技能実習からより長期的な特定技能への移行が着実に進んでいる様子が伺えます。

また11位に入っている特別永住者(7,937人・2.9%)についても触れておく必要があります。これは第二次世界大戦以前から日本に在住していた朝鮮半島・台湾出身者とその子孫に付与される在留資格であり、一般の永住者とは異なる歴史的経緯を持つ制度です。


埼玉県の年齢分布(参考値)

※年齢データは全体277,209人のうち70.0%(194,140人)分のみ公開されています。以下は参考値です。

年齢人数比率
0~4歳7,729人2.8%
5~9歳7,656人2.8%
10~14歳6,585人2.4%
15~19歳7,985人2.9%
20~24歳24,518人8.8%
25~29歳29,383人10.6%
30~34歳27,284人9.8%
35~39歳22,397人8.1%
40~44歳16,744人6.0%
45~49歳11,858人4.3%
50~54歳9,635人3.5%
55~59歳8,580人3.1%
60~64歳6,216人2.2%
65~69歳3,583人1.3%
70~74歳2,017人0.7%

年齢構成を見ると、25〜29歳(29,383人・10.6%)が最も多く、働き盛りの若者が中心となっています。20代全体(20〜29歳)で53,901人・19.4%と約5人に1人を占めており、地域の活気を支える大きな原動力となっています。

一方で0〜14歳の子ども層は21,970人・7.9%と、神奈川(8.7%)と比べてやや低めです。就労目的で来日する若年層が多い埼玉の特性が関連しているとみられますが、このデータは全体の70.0%分に基づく参考値のため、一つの傾向として捉えるのが適切です。


注目エリア4選:在留資格で見る4つの顔

①蕨市(在留外国人10,435人)

全国で最も面積が小さい(約5.1km²)この街に、1万人を超える外国籍住民が集住する蕨市は、その密度の濃さが印象的です。

  • 永住者:2,960人(28.4%)
  • 技術・人文知識・国際業務:1,802人(17.3%)
  • 家族滞在:1,508人(14.5%)
  • 留学:1,393人(13.3%)

定住・就労・学習・家族という4つの資格がバランスよく分散しているのが蕨市の特徴です。特に留学(13.3%)の高さは、近隣の教育機関との関連が背景にあるとみられます。隣接する川口市ともコミュニティが連続しており、多層的な外国人コミュニティが形成されています。

②川口市(在留外国人51,698人)

県内最多の外国人人口を誇る川口市。その中身を見ると、一時的な滞在とは異なる実態が浮かび上がります。

  • 永住者:14,532人(28.1%)
  • 技術・人文知識・国際業務:8,835人(17.1%)
  • 家族滞在:7,065人(13.7%)
  • 留学:4,397人(8.5%)

最多は永住者(28.1%)で、さらに専門職の就労者やその家族が上位を占めています。データが示すのは、川口市が「一時的な滞在先」ではなく「根を張って生きる生活の場」として選ばれているという実態です。世帯単位での定住が進んでいる様子が見て取れます。

③草加市(在留外国人12,334人)

東武伊勢崎線沿線の住宅都市、草加市も川口市に近いバランス型の構成をしています。

  • 永住者:3,629人(29.4%)
  • 技術・人文知識・国際業務:1,594人(12.9%)
  • 家族滞在:1,267人(10.3%)
  • 特定技能1号:941人(7.6%)

目を引くのが特定技能1号(7.6%)の比率で、川口市(4.8%)より高い水準にあります。地域の製造業での受け入れが活発に行われているとみられます。定住と就労が両立した住環境が、このデータに表れています。

④八潮市(在留外国人5,371人)

八潮市のデータは、今回紹介する4エリアの中でも際立ってユニークです。

  • 永住者:1,549人(28.8%)
  • 技術・人文知識・国際業務:569人(10.6%)
  • 特定技能1号:532人(9.9%)
  • 技能実習2号ロ:512人(9.5%)

永住者が最多なのは他エリアと同様ですが、その次に特定技能(9.9%)・技能実習(9.5%)が続くのが八潮市の際立った特徴です。川口・蕨・草加が「定住型」の性格が強いのに対し、八潮は工業・物流を支える「就労型」のカラーが濃く、埼玉内の多様性を象徴するような在留資格構成となっています。


まとめ

埼玉県の在留資格を分析して見えてきたのは、技能実習(9.1%)や特定技能(7.7%)という「就労系」の厚みです。一方で、永住者(27.4%)を中心とした定住コミュニティも確固たるものとして存在しています。

蕨・川口に見られる「定住・家族型」のコミュニティと、八潮に見られる「就労型」のコミュニティ。同じ埼玉県内でもエリアごとに全く異なる実態があることが、データから読み解けます。

国籍別のデータは埼玉県で外国人が多い街ランキングもあわせてご覧ください。


データ出典・免責事項

本記事に掲載しているデータは法務省「在留外国人統計」の市区町村×在留資格×年齢の公開データを集計したものです。年齢分布は公開データの約70.0%分に基づく参考値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。

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