この記事でわかること
- 北海道の在留外国人【69,620人】を在留資格別に分類した構成
- 年齢分布から見える北海道の外国人コミュニティの実態(※札幌市のみのデータに基づく参考値)
- 倶知安町・旭川市・函館市・帯広市のエリア別在留資格の違い
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データ出典
- 法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年6月末時点)
- 総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
はじめに:特定技能21%が全資格中1位・就労型46.3%——今シリーズ最高の就労型道県・北海道
北海道に暮らす在留外国人の総数は69,620人。その内訳を見ると、北海道らしい就労の実態が鮮やかに浮かび上がります。
特筆すべきは、在留資格「特定技能1号」が21.0%を占め、全資格の中で1位となっている点です。他県には見られない、非常に珍しい構成といえるでしょう。技能実習と合わせると、全体の約半数にあたる46.3%が就労型の資格で占められており、本シリーズで分析してきた愛知県(7.5%)や静岡県(7.7%)と比べても圧倒的な高さです。
一方で、永住者と定住者を合わせた比率はわずか10.9%。この「定住よりも就労」という構造からは、食・農業・観光といった北海道の基幹産業が、多くの外国人材の力によって支えられている現状が見えてきます。ニセコの都市型リゾートと十勝の農業——同じ北海道でも、地域ごとにその顔は大きく異なります。
北海道の在留資格構成
北海道全体の在留資格構成を詳しく見ていくと、全国屈指の就労型構成であることがデータからも裏付けられます。
| 順位 | 在留資格 | 人数 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 特定技能1号 | 14,586人 | 21.0% |
| 2 | 技能実習(全種合計)※ | 17,648人 | 25.3% |
| 3 | 永住者 | 6,971人 | 10.0% |
| 4 | 技術・人文知識・国際業務 | 6,598人 | 9.5% |
| 5 | 留学 | 5,846人 | 8.4% |
| 6 | 家族滞在 | 3,568人 | 5.1% |
| 7 | 特定活動 | 2,986人 | 4.3% |
| 8 | 特別永住者 | 2,682人 | 3.9% |
| 9 | 技能 | 2,608人 | 3.7% |
| 10 | 日本人の配偶者等 | 2,227人 | 3.2% |
| 11 | 経営・管理 | 673人 | 1.0% |
| 12 | 定住者 | 608人 | 0.9% |
| 13 | 教育 | 566人 | 0.8% |
| 14 | 企業内転勤 | 344人 | 0.5% |
| 15 | 教授 | 285人 | 0.4% |
| — | その他 | 1,424人 | 2.0% |
| 合計 | 69,620人 | 100% |
参考:「その他(2.0%)」には介護(244人・0.4%)、宗教(268人・0.4%)、文化活動(94人・0.1%)、高度専門職(212人・0.3%)などが含まれます。また、特定技能2号(熟練した技能を持つ上位資格)での在留者も128人(0.2%)確認されています。
※技能実習の内訳:
- 技能実習2号ロ:11,493人(16.5%)
- 技能実習1号ロ:5,345人(7.7%)
- 技能実習3号ロ:740人(1.1%)
- 技能実習2号イ:35人(0.1%)
- 技能実習3号イ:20人(0.0%)
- 技能実習1号イ:15人(0.0%)
- 技能実習合計:17,648人(25.3%)
「定住より就労」の道まず目を引くのが、特定技能1号(21.0%)が1位という全国屈指の就労型構成です。
技能実習(25.3%)と合わせた46.3%という数字は、圧倒的な就労層の厚さを示しています。永住者と定住者の合計が10.9%という水準は、定住型が40%を超える愛知県や静岡県などとは対照的で、北海道が「定住」よりも「就労」の場として強く機能していることが分かります。他の都道府県のデータと見比べると、その違いがより鮮明に浮かび上がります。
歴史的な背景を持つ「特別永住者」は3.9%(2,682人)です。これは第二次世界大戦以前から日本に在住していた朝鮮半島・台湾出身者とその子孫の方々に付与される資格であり、一般の永住者とは異なる歴史的経緯による制度です。
また、「技能」(3.7%・2,608人)は、外国料理の料理人や専門技術者に付与される資格であり、北海道の食・観光産業との関連が示唆されます。「介護」(0.4%・244人)の存在は、高齢化社会を支える新たな力として注目されます。
北海道の年齢分布(参考値)
⚠️ 年齢データは全体69,620人のうち32.3%(22,485人)分のみ公開されています。以下は札幌市(10区合計)のみのデータに基づく参考値です。農業・リゾート就労者が多い北海道全体の傾向とは大きく異なる可能性があります。
| 年齢 | 人数(札幌市) | 比率 |
|---|---|---|
| 0~4歳 | 474人 | 2.1% |
| 5~9歳 | 458人 | 2.0% |
| 10~14歳 | 329人 | 1.5% |
| 15~19歳 | 706人 | 3.1% |
| 20~24歳 | 4,580人 | 20.4% |
| 25~29歳 | 4,647人 | 20.7% |
| 30~34歳 | 3,235人 | 14.4% |
| 35~39歳 | 2,172人 | 9.7% |
| 40~44歳 | 1,419人 | 6.3% |
| 45~49歳 | 1,198人 | 5.3% |
| 50~54歳 | 848人 | 3.8% |
| 55~59歳 | 649人 | 2.9% |
| 60~64歳 | 620人 | 2.8% |
| 65~69歳 | 438人 | 1.9% |
| 70~74歳 | 301人 | 1.3% |
| 75~79歳 | 218人 | 1.0% |
| 80歳以上 | 193人 | 0.9% |
| 合計(札幌市) | 22,485人 | 100% |
札幌市のデータを見ると、最多は25〜29歳の20.7%(4,647人)です。20代全体では41.0%(9,227人)を占めており、若い世代が中心のコミュニティであることが分かります。一方で0〜14歳の子供の割合は5.6%(1,261人)と低く、就労目的の単身者が多い傾向がうかがえます。
ただし、このデータは札幌市の特性を強く反映しており、農業やリゾート就労者が多い北海道全体の年齢傾向とは大きく異なる可能性があります。参考値のため、断定的な解釈を避ける必要があります。
注目エリア4選:在留資格で見る北海道の4つの顔
①倶知安町(在留外国人:1,815人)

倶知安町は、他の3エリアとは全く異なる独自の構成が最大の特徴です。
技能実習・特定技能がわずか5.2%(95人)にとどまる一方、専門職向けの「技術・人文知識・国際業務」と「特定活動」で全体の63.4%(1,151人)を占めます。リゾート施設が集積するこのエリアならではの、多様な就労・滞在形態が反映されているとみられます。また、外国人オーナーによる事業参入を示唆する「経営・管理」3.1%(56人)の存在も特徴的です。
②旭川市(在留外国人:2,115人)

道北の中心都市、旭川市は半数超が就労型の構成です。
技能実習と特定技能を合わせると53.0%(1,128人)に達し、北海道内陸部の農業や食品加工都市らしい実態がうかがえます。
永住者も11.0%(233人)と一定数おり、就労を機に地域へ定着した層の存在も示唆されます。
③函館市(在留外国人:2,103人)

観光と水産の街、函館市は就労と学びのバランスが取れた構成です。
水産業・食品加工業が盛んな函館ならではの就労需要を反映した51.8%(1,090人)という高い就労比率に加え、留学生12.4%(260人)が多いのが特徴です。観光都市、そして学術都市としての多面的な個性がデータに表れています。
④帯広市(在留外国人:1,698人)

十勝地方の中心である帯広市は、今シリーズで最も突出した数値を記録しています。
特定技能1号が38.8%(658人)という圧倒的な高さを示しており、これは本シリーズの全エリア中で最高値です。技能実習と合わせた就労比率は57.4%(975人)に達し、農業・食品製造業が盛んな十勝地域が生み出した、日本最先端の就労受け入れモデルとしての姿が反映されているとみられます。
まとめ
北海道の在留外国人データからは、特定技能21.0%、技能実習25.3%という、全国でも類を見ないほど「働く力」に特化した姿が見えてきました。合計46.3%という就労型比率は、他県を圧倒する高水準です。
倶知安町のリゾート型から帯広市の農業就労型まで、地域ごとに全く異なる就労の形があるのも北海道の面白さです。
永住・定住者が10.9%という「通い就労の道」と、それを支える「食・農業・観光」の結びつき。広大な大地を舞台に、多様な就労の形が生まれ続けている北海道の実態。そのデータの背後にある人々の働きが、今の北海道を支えているのでしょう。
北海道で外国人が多い街ランキングもあわせてご覧ください。
データ出典・免責事項
- 在留外国人数・在留資格・年齢:法務省 出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年6月末現在
- 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
本記事に掲載しているデータは法務省「在留外国人統計」の市区町村×在留資格×年齢の公開データを集計したものです。年齢分布は札幌市(10区)のみの公開データ(22,485人・全体の32.3%)に基づく参考値であり、北海道全体の傾向を示すものではありません。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。