この記事でわかること
- 北海道188市区町村の外国人比率ランキングTOP20
- 倶知安町・東川町・札幌市・紋別市など、集住タイプ別の注目エリア解説
- 国籍別(ベトナム・インドネシア・中国・ミャンマー・韓国朝鮮籍)の集住エリアランキング
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データ出典
- 在留外国人数:法務省 在留外国人統計(2025年6月末時点)
- 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
北海道の在留外国人の現状
広大な大地に188もの市区町村が点在する北海道。
その多文化共生のあり方は、他の都府県とは一線を画すユニークな特徴を持っています。
現在、道内に暮らす在留外国人は69,620人。総人口5,093,983人に対する比率は1.37%で、約73人に1人の割合です。東京23区(約6.7%)や製造業が盛んな群馬県(約4.55%)などと比べると決して高い水準ではありません。しかし広大な道内を細かく見ていくと、スキーリゾート・大規模農業・漁業の拠点など、それぞれの産業に密接に結びついた多様なコミュニティが点在していることに気づかされます。
ランキングの上位を占めるのは人口5,000人未満の小規模な自治体が中心です。一方で絶対数で見れば、札幌市が22,485人と全道の約3割を占めており、「点在する地方の集落」と「巨大な都市コミュニティ」という二極化が北海道の実像です。
なお、本記事のデータは住民登録をしている在留外国人の数です。短期滞在者・観光客・土地所有者のみで居住していない方は含まれません。
※在留外国人数(2025年6月)と住基人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率は本記事の数値より若干高い可能性があります。
外国人比率ランキングTOP20
北海道のランキングは、スキーリゾートや農業・漁業産業を担う小規模自治体が上位に並ぶ独特の構造です。TOP20のうち多くが人口5,000人未満の自治体であり、特定の事業所・施設・産業への集中が比率を押し上げているケースがあります。実生活上の多文化共生の「厚み」としては、下部に登場する大都市・中核市のデータも合わせてご参照ください。
| 順位 | 市区町村 | 在留外国人数 | 住基人口(2023年) | 外国人比率 | 目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 赤井川村 | 381人 | 1,353人 | 28.16% | 約4人に1人 ※1 |
| 2 | 占冠村 | 444人 | 1,591人 | 27.91% | 約4人に1人 ※1 |
| 3 | 留寿都村 | 308人 | 2,036人 | 15.13% | 約7人に1人 ※1 |
| 4 | ニセコ町 | 694人 | 5,481人 | 12.66% | 約8人に1人 ※1 |
| 5 | 倶知安町 | 1,815人 | 16,505人 | 11.00% | 約9人に1人 ※1 |
| 6 | 仁木町 | 288人 | 3,040人 | 9.47% | 約11人に1人 ※1 |
| 7 | 雄武町 | 335人 | 4,093人 | 8.18% | 約12人に1人 ※2 |
| 8 | 佐呂間町 | 349人 | 4,688人 | 7.44% | 約13人に1人 ※2 |
| 9 | 長万部町 | 334人 | 4,817人 | 6.93% | 約14人に1人 ※2 |
| 10 | 喜茂別町 | 135人 | 1,957人 | 6.90% | 約14人に1人 ※2 |
| 11 | 真狩村 | 134人 | 1,952人 | 6.86% | 約15人に1人 ※2 |
| 12 | 東川町 | 584人 | 8,576人 | 6.81% | 約15人に1人 |
| 13 | 猿払村 | 162人 | 2,648人 | 6.12% | 約16人に1人 ※2 |
| 14 | 新冠町 | 305人 | 5,137人 | 5.94% | 約17人に1人 ※2 |
| 15 | 興部町 | 206人 | 3,564人 | 5.78% | 約17人に1人 ※2 |
| 16 | 鹿部町 | 195人 | 3,570人 | 5.46% | 約18人に1人 ※2 |
| 17 | 日高町 | 576人 | 11,107人 | 5.19% | 約19人に1人 |
| 18 | むかわ町 | 376人 | 7,323人 | 5.13% | 約19人に1人 ※2 |
| 19 | 上士幌町 | 241人 | 4,784人 | 5.04% | 約20人に1人 ※2 |
| 20 | 浜頓別町 | 165人 | 3,299人 | 5.00% | 約20人に1人 ※2 |
※1 スキーリゾートや観光関連産業が集積するエリアです。季節性のある就労や短期的な居住が比率を押し上げている可能性があり、通年での多文化共生の実態とは乖離がある場合があります。
※2 在留外国人の絶対数が少なく(500人未満)、農業・漁業などの特定産業への集中が比率に反映されているとみられます。実生活上の多文化共生の実態と比率には乖離があります。
集住タイプ別 注目エリア4選
北海道の多文化共生を知るには、比率の高さだけでなく「なぜそこに集まっているのか」という背景が重要です。4つの代表的な集住タイプを見ていきましょう。
①【リゾート型】倶知安町(外国人比率11.00%)
集住タイプ:スキーリゾート・観光関連産業型
「ニセコひらふエリア」を擁し、世界屈指のパウダースノーを求めて人々が集まる倶知安町。街を歩けば英語の看板が並び、北海道の小さな町にいることを忘れるような光景が広がっています。
- 在留外国人:1,815人 住基人口:16,505人 比率:11.00%(約9人に1人)
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | オーストラリア | 371人 | 20.4% |
| 2 | 中国 | 191人 | 10.5% |
| 3 | 英国 | 179人 | 9.9% |
| 4 | 台湾 | 127人 | 7.0% |
| 5 | インドネシア | 99人 | 5.5% |
| 6 | フィリピン | 94人 | 5.2% |
| 7 | ネパール | 74人 | 4.1% |
| 8 | ベトナム | 57人 | 3.1% |
| 9 | ニュージーランド | 54人 | 3.0% |
| 10 | カナダ | 52人 | 2.9% |
| 11 | 韓国・朝鮮籍合算 | 50人 | 2.8%(韓国47人+朝鮮3人) |
目を引くのは英語圏の存在感です。オーストラリア(20.4%)・英国(9.9%)・ニュージーランド(3.0%)・カナダ(2.9%)と英語圏だけで全体の約36%を占める——これは日本国内でも極めて珍しい「英語圏型集住」です。隣接するニセコ町(12.66%・694人)も同様のリゾート型パターンであり、両町を合わせてこのエリア全体に独自のコミュニティが形成されているとみられます。
②【日本語学校型】東川町(外国人比率6.81%)
集住タイプ:日本語教育・多文化共生の先進地型
大雪山のふもと、旭川空港からほど近い東川町は「写真の町」として知られる人口約8,500人の美しい町です。ここでは他とは異なる、非常に多国籍なコミュニティが育まれています。
- 在留外国人:584人 住基人口:8,576人 比率:6.81%(約15人に1人)
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | インドネシア | 128人 | 21.9% |
| 2 | 中国 | 91人 | 15.6% |
| 3 | タイ | 83人 | 14.2% |
| 4 | ベトナム | 63人 | 10.8% |
| 5 | ミャンマー | 49人 | 8.4% |
| 6 | 台湾 | 42人 | 7.2% |
| 7 | ネパール | 24人 | 4.1% |
| 8 | 韓国・朝鮮籍合算 | 19人 | 3.3%(韓国19人+朝鮮0人) |
特筆すべきは、584人の外国人住民の中に27もの国籍が含まれているという多様性です。東川町には2015年に開校した全国初の公立日本語学校「東川町立東川日本語学校」があり、町を挙げて日本語教育を通じた多文化共生に取り組んでいます。こうした行政の方針が、アジア圏を中心とした多様な国籍の集住を生む背景にあるとみられます。
③【都市型】札幌市(外国人比率1.15%)
集住タイプ:大都市・多国籍分散型
比率こそ1.15%と低く見えますが、札幌市は道内最大の外国人居住地です。10の区に分かれているため比率ランキング上位には出てきませんが、在留外国人22,485人という絶対数は全道断然の1位です。
- 在留外国人:22,485人 住基人口:1,956,928人 比率:1.15%(約87人に1人)
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 5,652人 | 25.1% |
| 2 | 韓国・朝鮮籍合算 | 3,067人 | 13.6%(韓国2,825人+朝鮮242人) |
| 3 | ベトナム | 2,723人 | 12.1% |
| 4 | ミャンマー | 1,806人 | 8.0% |
| 5 | インドネシア | 1,793人 | 8.0% |
| 6 | ネパール | 1,096人 | 4.9% |
| 7 | フィリピン | 880人 | 3.9% |
| 8 | 米国 | 863人 | 3.8% |
| 9 | 台湾 | 834人 | 3.7% |
中国・韓国朝鮮籍・ベトナムの上位3国籍がバランスよく分散する多国籍都市型の構成です。特に中国籍(5,652人)は全道の中国籍住民10,491人の53.9%が札幌市に集中しており、圧倒的な都市志向が見て取れます。商業・観光・教育機能が集まる道都として、多様な背景を持つ方々が集まる構造です。なお、この数字は住民登録ベースであり、短期滞在者や土地所有のみで居住していない方は含まれません。
④【農漁業型】紋別市(外国人比率4.87%)
集住タイプ:農業・漁業・食品産業型
オホーツク海に面する流氷の町・紋別市は、リゾートや都市部とは全く異なる「産業型」の集住パターンを示しています。
- 在留外国人:986人 住基人口:20,260人 比率:4.87%(約21人に1人)
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | インドネシア | 407人 | 41.3% |
| 2 | ベトナム | 261人 | 26.5% |
| 3 | 中国 | 128人 | 13.0% |
| 4 | タイ | 126人 | 12.8% |
| 5 | ミャンマー | 24人 | 2.4% |
| 6 | 韓国・朝鮮籍合算 | 8人 | 0.8%(韓国7人+朝鮮1人) |
インドネシア(41.3%)・ベトナム(26.5%)・中国(13.0%)・タイ(12.8%)の4国籍だけで全体の93.5%を占める、非常に集中した構成です。水産加工業・農業が盛んな地域として知られる紋別市の産業背景が、この集住を支えているとみられます。観光地としてのイメージが強い北海道の中で、産業と生活を支える多文化共生の別の姿がここにあります。
国籍別ランキング
以下は各市区町村に居住する、当該国籍の人数ランキングです。なお、札幌市は行政区ごとのデータとなります。
ベトナム人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | ベトナム籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 帯広市 | 561人 |
| 2 | 旭川市 | 507人 |
| 3 | 函館市 | 501人 |
| 4 | 札幌市白石区 | 495人 |
| 5 | 釧路市 | 474人 |
インドネシア人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | インドネシア籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 紋別市 | 407人 |
| 2 | 札幌市北区 | 370人 |
| 3 | 旭川市 | 339人 |
| 4 | 帯広市 | 319人 |
| 5 | 札幌市白石区 | 315人 |
中国人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | 中国籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 札幌市北区 | 1,627人 |
| 2 | 札幌市中央区 | 1,101人 |
| 3 | 札幌市豊平区 | 616人 |
| 4 | 札幌市東区 | 577人 |
| 5 | 札幌市厚別区 | 419人 |
ミャンマー人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | ミャンマー籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 札幌市白石区 | 333人 |
| 2 | 札幌市豊平区 | 288人 |
| 3 | 札幌市中央区 | 240人 |
| 4 | 旭川市 | 238人 |
| 5 | 函館市 | 234人 |
韓国・朝鮮籍が多い街TOP5
※朝鮮籍は統計上の区分です。括弧内は内訳(韓国籍+朝鮮籍)を示します。
| 順位 | 市区町村 | 韓国・朝鮮籍合算人数 |
|---|---|---|
| 1 | 札幌市中央区 | 807人(韓国764人+朝鮮43人) |
| 2 | 札幌市豊平区 | 462人(韓国413人+朝鮮49人) |
| 3 | 札幌市北区 | 412人(韓国396人+朝鮮16人) |
| 4 | 札幌市東区 | 324人(韓国301人+朝鮮23人) |
| 5 | 札幌市白石区 | 297人(韓国267人+朝鮮30人) |
国籍ごとの分布を眺めると、北海道独自の興味深いパターンが浮かび上がります。
ベトナム籍は帯広・旭川・函館・釧路と地方の主要都市に幅広く分散しており、札幌に一極集中しない分散型が特徴的です。対照的なのが中国籍と韓国・朝鮮籍で、TOP5がすべて札幌市の区で占められる圧倒的な「札幌一極集中型」です。中国籍は宇都宮市が1位の栃木県や岐阜市が1位の岐阜県と異なり、北海道では全道の53.9%が札幌市に集まっています。
インドネシア籍は紋別市が1位という産業型拠点がありつつ、2位以下は札幌・旭川・帯広と都市部にシフトする「二極分散型」のパターンも持っています。広大な北海道だからこそ、国籍ごとのコミュニティが地域の特性に合わせて異なる広がり方を見せているのが面白いところです。
データ出典・免責事項
本記事に掲載しているデータは、公的統計に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。