この記事でわかること
- 山梨県27市区町村の外国人比率ランキングTOP20
- 中央市・富士河口湖町・甲府市・笛吹市など注目エリアの国籍別内訳と背景
- 国籍別(ベトナム・中国・ブラジル・フィリピン・ネパール・韓国朝鮮籍)の集住エリアランキング
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データ出典
- 在留外国人数:法務省 在留外国人統計(2025年6月末時点)
- 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)
山梨県の在留外国人の現状
富士山の麓に広がる山梨県では、今や約33人に1人が外国籍という多文化共生が進んでいます。県内27市区町村に暮らす在留外国人の合計は24,392人。総人口806,369人に対し、外国人比率は3.02%に達しています。東京23区の平均(6.7%)に比べると低く感じますが、3.02%という数字は全国的にも高い水準です。
国籍別ではベトナム(4,788人)、中国(4,625人)、ブラジル(2,801人)、フィリピン(2,460人)が上位を占めます。これらの方々が、「製造業型」「富士山観光型」「県都型」という3つの独自のパターンで集住しているのが山梨の特徴です。特に目を引くのが、県内トップの比率を誇る中央市(7.83%)の存在です。ここではブラジル籍が全体の50.7%を占めており、独自のコミュニティが形成されています。富士山の景観とともに、多様な文化が日常に溶け込んでいるのが今の山梨の姿と言えるでしょう。
※在留外国人数(2025年6月)と住基人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率は本記事の数値より若干高い可能性があります。
外国人比率ランキングTOP20
| 順位 | 市区町村 | 在留外国人数 | 住基人口(2023年) | 外国人比率 | 目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中央市 | 2,400人 | 30,657人 | 7.83% | 約13人に1人 |
| 2 | 山中湖村 | 367人 | 5,768人 | 6.36% | 約16人に1人 ※ |
| 3 | 富士河口湖町 | 1,277人 | 26,965人 | 4.74% | 約21人に1人 |
| 4 | 甲府市 | 7,733人 | 184,827人 | 4.18% | 約24人に1人 |
| 5 | 忍野村 | 407人 | 9,758人 | 4.17% | 約24人に1人 ※ |
| 6 | 昭和町 | 822人 | 21,213人 | 3.87% | 約26人に1人 |
| 7 | 笛吹市 | 1,876人 | 67,271人 | 2.79% | 約36人に1人 |
| 8 | 上野原市 | 578人 | 21,637人 | 2.67% | 約37人に1人 |
| 9 | 都留市 | 764人 | 28,798人 | 2.65% | 約38人に1人 |
| 10 | 韮崎市 | 706人 | 28,089人 | 2.51% | 約40人に1人 |
| 11 | 南アルプス市 | 1,638人 | 71,660人 | 2.29% | 約44人に1人 |
| 12 | 市川三郷町 | 333人 | 14,693人 | 2.27% | 約44人に1人 ※ |
| 13 | 甲斐市 | 1,680人 | 76,514人 | 2.20% | 約46人に1人 |
| 14 | 富士吉田市 | 1,010人 | 46,770人 | 2.16% | 約46人に1人 |
| 15 | 北杜市 | 947人 | 45,533人 | 2.08% | 約48人に1人 |
| 16 | 富士川町 | 291人 | 14,127人 | 2.06% | 約49人に1人 ※ |
| 17 | 身延町 | 202人 | 10,051人 | 2.01% | 約50人に1人 ※ |
| 18 | 大月市 | 417人 | 21,742人 | 1.92% | 約52人に1人 ※ |
| 19 | 鳴沢村 | 58人 | 3,079人 | 1.88% | 約53人に1人 ※ |
| 20 | 小菅村 | 9人 | 639人 | 1.41% | 約71人に1人 ※ |
※山中湖村(367人)・忍野村(407人)・市川三郷町(333人)・富士川町(291人)・身延町(202人)・大月市(417人)・鳴沢村(58人)・小菅村(9人)は在留外国人の絶対数が少ないため、実生活上の多文化共生の実態と比率には乖離があります。
注目エリア4選
①中央市(外国人比率7.83%)
山梨県で最も外国人比率が高い中央市を歩けば、南米系の文化が街に溶け込んでいることを実感できます。
2,400人の在留外国人のうち、実に50.7%にあたる1,216人がブラジル籍。ここにペルー籍(143人)を加えた南米系だけで1,359人、全体の56.6%と過半数を超えるのが中央市の特徴です。
全県のブラジル籍2,801人のうち43.4%がこの一市に集中しており、隣接する昭和町(248人)と合わせると全県ブラジル籍の52.3%がこのエリアに集まっています。大型製造業が集積するエリアとして知られており、産業背景が集住を支えているとみられます。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | ブラジル | 1,216人 | 50.7% |
| 2 | ベトナム | 457人 | 19.0% |
| 3 | 中国 | 152人 | 6.3% |
| 4 | ペルー | 143人 | 6.0% |
| 5 | フィリピン | 140人 | 5.8% |
| 6 | 韓国・朝鮮籍合算 | 26人 | 1.1%(韓国26人+朝鮮0人) |
②富士河口湖町(外国人比率4.74%)
「訪れる外国人」のイメージが強い富士河口湖町ですが、実は1,277人の外国人住民がこの町に根を張って暮らしています。
特筆すべきはネパール籍が352人と最多(27.6%)を占めている点です。隣接する富士吉田市(111人)と合わせると、ネパール籍は463人となり、全県の39.0%がこの富士山麓エリアに集中しています。
観光・宿泊・飲食業が集積するエリアとして知られ、産業背景が集住を支えているとみられます。中国(17.3%)やベトナム(17.2%)もほぼ同数で続いており、非常に多国籍なのが特徴です。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | ネパール | 352人 | 27.6% |
| 2 | 中国 | 221人 | 17.3% |
| 3 | ベトナム | 220人 | 17.2% |
| 4 | フィリピン | 81人 | 6.3% |
| 5 | ミャンマー | 67人 | 5.2% |
| 6 | 台湾 | 57人 | 4.5% |
| 7 | インドネシア | 44人 | 3.4% |
| 8 | 韓国・朝鮮籍合算 | 38人 | 3.0%(韓国37人+朝鮮1人) |
③甲府市(外国人比率4.18%)
県都・甲府市には、県内最多の7,733人の在留外国人が暮らしています。
全県外国人の31.7%がこの一市に集中しており、まさに山梨の多文化の中心地です。特に中国籍は全県4,625人のうち、ほぼ半数にあたる2,229人(48.2%)が甲府市に集まるという顕著な一極集中型を見せています。また、韓国・朝鮮籍も895人と、2位の甲斐市(147人)に748人もの大差をつけて断トツの1位です。
特定の国籍に偏りすぎず、インド籍(350人)なども上位に入るバランスの良さは都市型集住ならでは。商業や教育、行政機能が集まる県都として、多様な背景を持つ方々を惹きつけているとみられます。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 2,229人 | 28.8% |
| 2 | ベトナム | 1,236人 | 16.0% |
| 3 | 韓国・朝鮮籍合算 | 895人 | 11.6%(韓国878人+朝鮮17人) |
| 4 | フィリピン | 607人 | 7.8% |
| 5 | インド | 350人 | 4.5% |
| 6 | インドネシア | 285人 | 3.7% |
| 7 | ブラジル | 284人 | 3.7% |
| 8 | ミャンマー | 265人 | 3.4% |
| 9 | ネパール | 249人 | 3.2% |
④笛吹市(外国人比率2.79%)
桃やぶどうの産地として名高い笛吹市も、実は県内有数の外国人集住地です。
1,876人の外国籍住民が暮らし、比率は2.79%に達します。特筆すべきはフィリピン籍が338人と、県内の全市区町村の中で最も多いことです。上位3国籍(フィリピン・ベトナム・中国)が15〜18%台で並ぶ、非常に均等な構成が笛吹市の特徴です。
農業や食品産業が盛んな地域として知られ、産業背景が集住を支えているとみられます。観光地の華やかさの裏側で、地域の産業を支える多文化共生がしっかりと根付いているという意外な一面が見て取れます。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | フィリピン | 338人 | 18.0% |
| 2 | ベトナム | 311人 | 16.6% |
| 3 | 中国 | 292人 | 15.6% |
| 4 | インドネシア | 200人 | 10.7% |
| 5 | ネパール | 157人 | 8.4% |
| 6 | 韓国・朝鮮籍合算 | 105人 | 5.6%(韓国102人+朝鮮3人) |
| 7 | ミャンマー | 76人 | 4.1% |
| 8 | 台湾 | 69人 | 3.7% |
国籍別ランキング
以下は各市区町村に居住する、当該国籍の人数ランキングです。
ベトナム人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | ベトナム籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 甲府市 | 1,236人 |
| 2 | 中央市 | 457人 |
| 3 | 笛吹市 | 311人 |
| 4 | 南アルプス市 | 305人 |
| 5 | 甲斐市 | 292人 |
中国人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | 中国籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 甲府市 | 2,229人 |
| 2 | 甲斐市 | 424人 |
| 3 | 笛吹市 | 292人 |
| 4 | 富士河口湖町 | 221人 |
| 5 | 南アルプス市 | 219人 |
ブラジル人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | ブラジル籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 中央市 | 1,216人 |
| 2 | 南アルプス市 | 395人 |
| 3 | 甲府市 | 284人 |
| 4 | 昭和町 | 248人 |
| 5 | 韮崎市 | 122人 |
フィリピン人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | フィリピン籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 甲府市 | 607人 |
| 2 | 笛吹市 | 338人 |
| 3 | 甲斐市 | 150人 |
| 4 | 富士吉田市 | 149人 |
| 5 | 都留市 | 149人 |
ネパール人が多い街TOP5
| 順位 | 市区町村 | ネパール籍人数 |
|---|---|---|
| 1 | 富士河口湖町 | 352人 |
| 2 | 甲府市 | 249人 |
| 3 | 笛吹市 | 157人 |
| 4 | 富士吉田市 | 111人 |
| 5 | 南アルプス市 | 61人 |
韓国・朝鮮籍が多い街TOP5
※朝鮮籍は統計上の区分です。括弧内は内訳(韓国籍+朝鮮籍)を示します。
| 順位 | 市区町村 | 韓国・朝鮮籍合算人数 |
|---|---|---|
| 1 | 甲府市 | 895人(韓国878人+朝鮮17人) |
| 2 | 甲斐市 | 147人(韓国143人+朝鮮4人) |
| 3 | 笛吹市 | 105人(韓国102人+朝鮮3人) |
| 4 | 富士吉田市 | 89人(韓国87人+朝鮮2人) |
| 5 | 北杜市 | 61人(韓国60人+朝鮮1人) |
山梨県の多文化共生には、非常に明確なエリア特性があることがわかります。
中国籍やベトナム籍が甲府市に多く集まる一方で、南米系の方々は製造業エリアに集まる傾向があります。
特に注目したいのが、ペルー籍の集住パターンです。全県ペルー籍658人のうち、南アルプス市(187人)、中央市(143人)、甲府市(119人)の3市だけで449人、全体の68.2%を占めています。これはブラジルの集住エリアと重なる「南米系製造業ベルト」を形成しており、隣接する長野県伊那谷などとも共通するパターンです。こうした産業背景が、山梨各地で独自のコミュニティを支えているとみられます。
データ出典・免責事項
本記事に掲載しているデータは、公的統計に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。