ブラジル人3万人が暮らす静岡県——外国人が多い街ランキング【2025年・市区町村別データ】

東海

この記事でわかること

  • 静岡県39市区町村の外国人比率ランキングTOP20
  • 磐田市・菊川市・吉田町・湖西市など注目エリアの国籍別内訳と背景
  • 国籍別(ブラジル・フィリピン・ベトナム・中国・インドネシア・ペルー・ネパール・韓国朝鮮)の集住エリアランキング

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データ出典

  • 在留外国人数:法務省 在留外国人統計(2025年6月末時点)
  • 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)

静岡県の在留外国人の現状

本記事は、公的統計データをもとに地域の多文化共生の実態を客観的にお伝えすることを目的としています。

静岡県内に暮らす在留外国人の合計は128,311人、総人口(3,606,469人)に対する外国人比率は3.56%となっており、実におよそ28人に1人が外国籍という計算になります。

静岡県の特徴を語る上で欠かせないのが、全国的にも珍しい「ブラジル人が最多国籍」という点です。その数は31,635人(24.7%)にのぼり、次いでフィリピン(21,168人)、ベトナム(20,933人)と続く南米・東南アジア型の分布が鮮明です。東京23区(6.7%)と比べれば全体の比率は控えめですが、県西部の遠州地区に目を向けると、10の市区町村で外国人比率が4%を超えます。地域ごとに全く異なる顔があるのが、静岡県の面白さです。

※在留外国人数(2025年6月)と住基人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率は本記事の数値より若干高い可能性があります。


外国人比率ランキングTOP20

静岡県内の全39市区町村を集計した、外国人比率ランキングは以下の通りです。

順位市区町村在留外国人数住基人口(2023年)外国人比率目安
1吉田町2,592人29,255人8.86%約11人に1人
2菊川市4,152人47,541人8.73%約11人に1人
3湖西市4,434人58,079人7.63%約13人に1人
4袋井市6,345人88,429人7.18%約14人に1人
5牧之原市2,768人43,067人6.43%約16人に1人
6磐田市10,423人166,684人6.25%約16人に1人
7東伊豆町572人11,305人5.06%約20人に1人
8掛川市5,714人115,419人4.95%約20人に1人
9清水町1,521人31,823人4.78%約21人に1人
10焼津市6,215人136,343人4.56%約22人に1人
11浜松市中央区26,655人607,645人4.39%約23人に1人
12御前崎市1,275人30,288人4.21%約24人に1人
13熱海市1,403人33,934人4.13%約24人に1人
14御殿場市3,209人84,240人3.81%約26人に1人
15森町568人17,232人3.30%約30人に1人
16富士市8,162人247,887人3.29%約30人に1人
17静岡市駿河区6,760人206,532人3.27%約31人に1人
18沼津市5,963人187,826人3.17%約31人に1人
19小山町500人17,263人2.90%約35人に1人
20浜松市浜名区4,434人155,846人2.85%約35人に1人

※浜松市中央区は、2024年1月の行政区再編により設置されました。住基人口(2023年)は旧区の数値を引き継いでいるため、実態と若干の差異が生じる場合があります。

※東伊豆町(572人)・小山町(500人)・森町(568人)は比率上位ですが、在留外国人の絶対数が少ないため、実生活上の多文化共生の実態と比率には乖離があります。


注目エリア4選

ランキング上位の中から、特徴的な背景を持つ4つのエリアを詳しく見ていきましょう。

①磐田市(外国人比率6.25%)

磐田市を歩けば、そのコミュニティの厚みを即座に実感できます。在留外国人10,423人のうち、ブラジル籍の方が5,320人と実に過半数を占めているのです。製造業が集積する工業都市という背景のもと、1990年の入管法改正以降、多くの南米系の方々が定住し、コミュニティを根付かせてきたものとみられます。

  • 在留外国人:10,423人
  • 住基人口:166,684人
  • 外国人比率:6.25%(約16人に1人)
  • 国籍別内訳:
    • ブラジル:5,320人(51.0%)
    • フィリピン:1,701人(16.3%)
    • ベトナム:980人(9.4%)
    • インドネシア:757人(7.3%)
    • 中国:471人(4.5%)
    • ペルー:279人(2.7%)
    • 韓国・朝鮮籍:109人(1.0%)(韓国104人+朝鮮5人)
    • その他:806人(7.7%)

②菊川市(外国人比率8.73%)

静岡のお茶産地として全国的に知られる菊川市ですが、実は県内2位の外国人比率を誇る「知る人ぞ知る集住都市」でもあります。目を引くのがその国籍構成で、ブラジル(51.1%)とフィリピン(24.4%)の2カ国だけで全体の4分の3を超えています。茶業に加え、周辺の製造業を支える力として、南米・東南アジアの二極構造が定着しているのでしょう。

  • 在留外国人:4,152人
  • 住基人口:47,541人
  • 外国人比率:8.73%(約11人に1人)
  • 国籍別内訳:
    • ブラジル:2,122人(51.1%)
    • フィリピン:1,015人(24.4%)
    • ベトナム:364人(8.8%)
    • インドネシア:179人(4.3%)
    • 中国:146人(3.5%)
    • ペルー:70人(1.7%)
    • 韓国・朝鮮籍:13人(0.3%)(韓国13人+朝鮮0人)
    • その他:243人(5.9%)

③吉田町(外国人比率8.86%)

県内で最も高い外国人比率を示すのが吉田町です。磐田市や菊川市と大きく異なるのは、特定の国籍に偏らない「多国籍分散型」という点でしょう。フィリピン・ベトナム・ブラジル・ネパール・インドネシア・ミャンマーの6つの国籍が、それぞれ10%前後という稀なバランスで共生しています。漁業や食品加工業が盛んな沿岸の町ならではの、産業の多様性が反映されているようです。

  • 在留外国人:2,592人
  • 住基人口:29,255人
  • 外国人比率:8.86%(約11人に1人)
  • 国籍別内訳:
    • フィリピン:634人(24.5%)
    • ベトナム:602人(23.2%)
    • ブラジル:353人(13.6%)
    • ネパール:290人(11.2%)
    • インドネシア:260人(10.0%)
    • ミャンマー:141人(5.4%)
    • 中国:137人(5.3%)
    • 韓国・朝鮮籍:8人(0.3%)(韓国7人+朝鮮1人)
    • その他:167人(6.4%)

④湖西市(外国人比率7.63%)

浜名湖西岸に位置する湖西市は、南米系の存在感が県内で最も際立っています。ブラジル(50.1%)とペルー(12.9%)を合わせると63%に達し、まさに「遠州ブラジル・ベルト」の西端を象徴するような街です。製造業が集積する地域という背景が、南米系コミュニティの形成を後押ししてきたのでしょう。

  • 在留外国人:4,434人
  • 住基人口:58,079人
  • 外国人比率:7.63%(約13人に1人)
  • 国籍別内訳:
    • ブラジル:2,220人(50.1%)
    • ペルー:573人(12.9%)
    • インドネシア:453人(10.2%)
    • ベトナム:401人(9.0%)
    • フィリピン:298人(6.7%)
    • ミャンマー:127人(2.9%)
    • 中国:83人(1.9%)
    • 韓国・朝鮮籍:35人(0.8%)(韓国34人+朝鮮1人)
    • その他:244人(5.5%)

国籍別ランキング

ブラジル人が多い街TOP5

順位市区町村ブラジル籍人数
1浜松市中央区8,835人
2磐田市5,320人
3袋井市3,215人
4湖西市2,220人
5菊川市2,122人

フィリピン人が多い街TOP5

順位市区町村フィリピン籍人数
1浜松市中央区3,287人
2焼津市2,389人
3磐田市1,701人
4浜松市浜名区1,424人
5掛川市1,281人

ベトナム人が多い街TOP5

順位市区町村ベトナム籍人数
1浜松市中央区4,165人
2富士市1,669人
3袋井市1,132人
4富士宮市1,105人
5沼津市1,065人

中国人が多い街TOP5

順位市区町村中国籍人数
1浜松市中央区2,076人
2静岡市清水区868人
3静岡市駿河区749人
4富士市701人
5沼津市632人

インドネシア人が多い街TOP5

順位市区町村インドネシア籍人数
1浜松市中央区1,649人
2磐田市757人
3湖西市453人
4焼津市435人
5静岡市駿河区416人

ペルー人が多い街TOP5

順位市区町村ペルー籍人数
1浜松市中央区1,748人
2湖西市573人
3富士市342人
4磐田市279人
5掛川市225人

ネパール人が多い街TOP5

順位市区町村ネパール籍人数
1静岡市駿河区1,660人
2静岡市葵区869人
3浜松市中央区687人
4富士市500人
5沼津市461人

韓国・朝鮮籍が多い街TOP5

※朝鮮籍は統計上の区分です。括弧内は内訳(韓国籍+朝鮮籍)を示します。

順位市区町村韓国・朝鮮籍合算人数
1浜松市中央区946人(韓国903人+朝鮮43人)
2静岡市駿河区516人(韓国456人+朝鮮60人)
3静岡市葵区452人(韓国419人+朝鮮33人)
4富士市377人(韓国361人+朝鮮16人)
5沼津市350人(韓国334人+朝鮮16人)

こうして見ると、集住のパターンにはっきりとした傾向が見えてきます。ブラジル・ペルーといった南米系は浜松市中央区を筆頭に、磐田・袋井・菊川・湖西と続く「遠州ベルト」に色濃く集中しており、地域の製造業を長年にわたって支えてきた存在です。一方でベトナムや中国は富士山麓(富士市・富士宮市)や静岡市・沼津市など県東部・中部へ広く分散しています。ネパールが静岡市(葵区・駿河区)に集中するのも全国的に特徴的なデータです。産業・歴史・地理それぞれの事情が色濃く反映されています。


このサイトについて

「となりの外国人」は、法務省・総務省などの公式統計をもとに、日本全国の在留外国人データを都道府県・市区町村別に可視化した地域データメディアです。

数字の背景にある歴史・文化・産業との関係を丁寧に伝えることで、となりに暮らす人たちのことを少し深く知るきっかけを提供します。引き続き、全国47都道府県のデータを順次公開していく予定です。


データ出典・免責事項

本記事に掲載しているデータは、公的統計に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。

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