ブラジル人6万人が暮らす愛知県——外国人が多い街ランキング【2025年・市区町村別データ】

東海

この記事でわかること

  • 愛知県54市町村(名古屋市は16区別に集計)の外国人比率ランキングTOP20
  • 名古屋市中区・豊橋市・豊田市・高浜市など注目エリアの国籍別内訳と背景
  • 国籍別(ベトナム・ブラジル・フィリピン・中国・韓国)の集住エリアランキング

データ出典

  • 在留外国人数:法務省 在留外国人統計(2025年6月末時点)
  • 総人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」掲載の住民基本台帳人口(2023年)

愛知県の在留外国人の現状

日本を代表する「ものづくり県」である愛知県。自動車産業などの製造業が集積していることから、古くから多くの外国籍の方々が地域経済を支えてきました。特に1990年代の入管法改正以降、ブラジルやペルーなど南米系日系人の方々が定住してきた歴史は、今の愛知の街並みにも色濃く反映されています。

最新データによると、愛知県内の在留外国人数は345,900人に達しています。外国人比率は4.61%となっており、これは約22人に1人が外国籍という計算です。東京23区(約6.7%)に次ぐ全国トップクラスの水準で、多文化共生が日常の風景となっているのが愛知の特徴です。

興味深いのはその内訳です。最多はベトナム人(67,842人)ですが、ブラジル人(61,003人)、フィリピン人(47,765人)、中国人(47,656人)と、上位4か国の人数が非常に近い数字で拮抗しています。名古屋市中心部の都市型コミュニティと、三河地区の製造業を支えるコミュニティ。この二つの集住パターンが、愛知県の多様さを形作っているのでしょう。


外国人比率ランキングTOP20

愛知県内の全54市町村(名古屋市は16区別)を集計した、外国人比率ランキングは以下の通りです。

順位市区町村在留外国人数住基人口(2023年)外国人比率目安
1名古屋市中区11,97495,84512.49%約8人に1人
2飛島村5214,71111.06%約9人に1人
3高浜市4,96749,24910.09%約10人に1人
4碧南市6,93272,5349.56%約10人に1人
5名古屋市港区12,187142,1608.57%約12人に1人
6知立市6,09472,2148.44%約12人に1人
7岩倉市3,89347,8398.14%約12人に1人
8小牧市11,809149,7157.89%約13人に1人
9西尾市12,989170,2587.63%約13人に1人
10豊明市4,68468,0386.88%約15人に1人
11弥富市2,96843,7226.79%約15人に1人
12名古屋市中村区8,841136,0976.50%約15人に1人
13豊橋市22,957368,6866.23%約16人に1人
14名古屋市南区8,031132,7976.05%約17人に1人
15蟹江町2,18837,0985.90%約17人に1人
16豊田市23,402416,3835.62%約18人に1人
17名古屋市東区4,53183,8325.40%約19人に1人
18みよし市3,03961,4274.95%約20人に1人
19豊川市9,164186,3764.92%約20人に1人
20名古屋市千種区7,774159,7924.87%約21人に1人

※飛島村(521人)は比率2位ですが、在留外国人の絶対数が少なく、住民の大半が工業地帯関連の就労者とみられます。大規模な集住地とは言えません。


注目エリア4選

ランキング上位の中から、特徴的な背景を持つ4つのエリアを詳しく見ていきましょう。

①名古屋市中区(外国人比率12.49%)

愛知県内で最も高い比率を記録したのが、県都の心臓部である名古屋市中区です。約8人に1人が外国籍という数字は、全国の都心部と比べても際立っています。

  • 在留外国人:11,974人
  • 国籍別内訳:
    • 中国:3,086人(25.8%)
    • ネパール:2,343人(19.6%)
    • フィリピン:2,047人(17.1%)
    • 韓国:982人(8.2%)
    • ベトナム:890人(7.4%)
    • ミャンマー:550人(4.6%)
    • その他:2,076人(17.3%)

栄や大須といった商業・観光地を抱える中区では、飲食やサービス業に従事する方々が多いとみられます。特に目を引くのがネパール人(19.6%)の多さです。名古屋の都心部には強固なネパール人コミュニティが存在しており、中区はその中心的な役割を担っています。

②豊橋市(外国人比率6.23%)

東三河の中心都市・豊橋市は、愛知県内でも屈指の「ブラジル人の街」として知られています。在留外国人数22,957人は、県内第2位の規模です。

  • 在留外国人:22,957人
  • 国籍別内訳:
    • ブラジル:9,133人(39.8%)
    • フィリピン:5,443人(23.7%)
    • ベトナム:2,031人(8.8%)
    • インドネシア:1,252人(5.5%)
    • 中国:1,228人(5.3%)
    • 韓国:990人(4.3%)
    • ペルー:730人(3.2%)
    • その他:2,150人(9.4%)

実に全体の約4割を占めるブラジル籍の存在感は圧倒的です。1990年代以降、日系ブラジル人の方々が定住し、生活を営んできた歴史がこの数字に表れています。ペルー籍の方も一定数暮らしており、南米系コミュニティの厚みを実感できるエリアです。

③豊田市(外国人比率5.62%)

世界的な企業、トヨタ自動車の本拠地である豊田市は、在留外国人の「絶対数」で県内トップの23,402人を誇ります。

  • 在留外国人:23,402人
  • 国籍別内訳:
    • ブラジル:7,312人(31.2%)
    • ベトナム:4,322人(18.5%)
    • フィリピン:2,657人(11.4%)
    • 中国:2,366人(10.1%)
    • インドネシア:1,527人(6.5%)
    • 韓国:908人(3.9%)
    • ネパール:726人(3.1%)
    • ミャンマー:690人(2.9%)
    • その他:2,894人(12.4%)

豊田市の特徴は、何といってもその多様性です。ブラジル人が最多ではあるものの、ベトナム、フィリピン、中国、インドネシアと、多くの国籍の方々が幅広く分布しています。自動車産業を軸に、世界中から人々が集まる多文化共生都市としての顔が見えてきます。

④高浜市(外国人比率10.09%)

三河地区の小規模な工業都市でありながら、約10人に1人が外国籍という高い密度を誇るのが高浜市です。

  • 在留外国人:4,967人
  • 国籍別内訳:
    • ベトナム:1,725人(34.7%)
    • ブラジル:1,650人(33.2%)
    • フィリピン:762人(15.3%)
    • インドネシア:195人(3.9%)
    • 中国:180人(3.6%)
    • その他:455人(9.2%)

三州瓦や衛生陶器の製造で知られるこの街では、製造現場を支える担い手として外国籍の方々が欠かせない存在となっています。ベトナム(34.7%)とブラジル(33.2%)がほぼ同数で拮抗しており、新旧の定住層が混在する三河の工業都市らしい構成が興味深いです。


国籍別ランキング

特定の国籍の方々がどのエリアに集まっているのか、TOP5を見てみましょう。地域ごとに驚くほど異なる傾向が見えてきます。

ベトナム人が多い街TOP5

順位市区町村ベトナム籍人数
1豊田市4,322人
2西尾市4,068人
3小牧市2,559人
4岡崎市2,433人
5春日井市2,281人

ブラジル人が多い街TOP5

順位市区町村ブラジル籍人数
1豊橋市9,133人
2豊田市7,312人
3岡崎市4,811人
4西尾市4,134人
5豊川市3,250人

フィリピン人が多い街TOP5

順位市区町村フィリピン籍人数
1豊橋市5,443人
2豊田市2,657人
3岡崎市2,336人
4一宮市2,167人
5安城市2,145人

中国人が多い街TOP5

順位市区町村中国籍人数
1名古屋市中区3,086人
2名古屋市千種区2,416人
3豊田市2,366人
4名古屋市港区2,259人
5名古屋市中川区1,961人

韓国人が多い街TOP5

順位市区町村韓国籍人数
1春日井市1,452人
2名古屋市中川区1,344人
3名古屋市守山区1,159人
4名古屋市中村区1,152人
5岡崎市1,084人

※本データでは朝鮮籍は0人のため、韓国籍のみの数値です。

ネパール人が多い街TOP5

順位市区町村ネパール籍人数
1名古屋市中村区2,984人
2名古屋市中区2,343人
3名古屋市中川区1,359人
4名古屋市北区1,317人
5名古屋市千種区975人

愛知県のデータを読み解くと、国籍によって「住む場所」の選び方がはっきりと分かれているのが分かります。

歴史の長いブラジル人コミュニティは豊橋や豊田、西尾といった三河地区の製造業拠点に深く根付いています。一方で、現在県内最多となったベトナム人は、三河だけでなく尾張(小牧・春日井)も含めた県内全域の工場地帯に広く分散しています。まさに今の愛知の産業を支える「新しい担い手」としての姿が浮き彫りになっています。

対照的なのが中国やネパールの構成です。彼らは名古屋市の都心5区(中村区・中区など)に集中する傾向があり、都市型のサービス業や商業と密接に関わっていることがうかがえます。地域ごとに全く異なる「顔」があるのが、愛知を歩く面白さと言えるでしょう。


このサイトについて

「となりの外国人」は、法務省・総務省などの公式統計をもとに、日本全国の在留外国人データを都道府県・市区町村別に可視化した地域データメディアです。

数字の背景にある歴史・文化・産業との関係を丁寧に伝えることで、となりに暮らす人たちのことを少し深く知るきっかけを提供します。引き続き、全国47都道府県のデータを順次公開していく予定です。


データ出典・免責事項

本記事に掲載しているデータは、公的統計に基づく数値です。特定の地域や人々への評価・優劣の判断を目的とするものではありません。また、在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。

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