この記事でわかること
- 東京23区の外国人比率ランキング(全23区掲載)
- 在留外国人数が多い区と、比率が高い区の違い
- 新宿区・豊島区・荒川区・江戸川区に外国人が多い背景
- 中国人・韓国朝鮮籍・ネパール人・ベトナム人が多いエリアと、そこに集まる理由
東京の街を歩いていると、聞こえてくる言語が日本語だけじゃないことに気づきます。
新宿の駅前、池袋の路地、江戸川のスーパー——気づけばそこはもう、ひとつの国だけでは語れない場所になっています。
東京23区の在留外国人は、2025年6月末時点で650,455人。
…65万人。この数字、ちゃんとイメージできますか?
住民基本台帳の人口と比べると、約15人に1人が外国人という計算になります。
関西6府県全体の外国人比率が3.3%なのに対し、東京23区は6.7%と、ほぼ2倍の水準です。
しかも上位4区(新宿区・豊島区・荒川区・台東区)はいずれも外国人比率が10%を超えていて、住民の10人に1人以上が外国人というエリアが複数あるというのは、少し驚きませんか。
本記事では、法務省・総務省の公式統計をもとに、東京23区の外国人比率を区別に整理し、国籍別の集住エリアや、その背景まで掘り下げています。
東京23区・外国人比率ランキング(全23区)
まずは全体像から見ていきましょう。
本記事のランキングは「外国人比率(人口に占める割合)」を基準にしています。
在留外国人数の多さだけで見ると、江戸川区・新宿区・足立区などが上位になっています。

| 順位 | 区名 | 在留外国人数 | 外国人比率 | 目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 新宿区 | 51,263人 | 14.7% | 約7人に1人 |
| 2 | 豊島区 | 38,409人 | 13.2% | 約8人に1人 |
| 3 | 荒川区 | 25,235人 | 11.5% | 約9人に1人 |
| 4 | 台東区 | 21,233人 | 10.0% | 約10人に1人 |
| 5 | 北区 | 34,539人 | 9.7% | 約10人に1人 |
| 6 | 港区 | 24,545人 | 9.2% | 約11人に1人 |
| 7 | 中野区 | 26,635人 | 7.9% | 約13人に1人 |
| 8 | 江東区 | 42,003人 | 7.8% | 約13人に1人 |
| 9 | 中央区 | 13,554人 | 7.7% | 約13人に1人 |
| 10 | 江戸川区 | 51,999人 | 7.5% | 約13人に1人 |
| 11 | 文京区 | 16,988人 | 7.3% | 約14人に1人 |
| 12 | 板橋区 | 40,266人 | 7.0% | 約14人に1人 |
| 13 | 足立区 | 47,074人 | 6.8% | 約15人に1人 |
| 14 | 葛飾区 | 31,786人 | 6.8% | 約15人に1人 |
| 15 | 千代田区 | 4,410人 | 6.4% | 約16人に1人 |
| 16 | 墨田区 | 17,747人 | 6.2% | 約16人に1人 |
| 17 | 渋谷区 | 13,706人 | 5.9% | 約17人に1人 |
| 18 | 大田区 | 34,541人 | 4.7% | 約21人に1人 |
| 19 | 品川区 | 18,253人 | 4.5% | 約22人に1人 |
| 20 | 目黒区 | 12,422人 | 4.4% | 約23人に1人 |
| 21 | 杉並区 | 24,507人 | 4.3% | 約23人に1人 |
| 22 | 練馬区 | 28,725人 | 3.9% | 約26人に1人 |
| 23 | 世田谷区 | 30,615人 | 3.3% | 約30人に1人 |
出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年6月末現在
新宿区(14.7%)と世田谷区(3.3%)では約4倍の差があります。
同じ「東京23区」でも、エリアによって街の顔はここまで変わるものなんですね。
外国人比率が高いエリア4選:新宿・豊島・荒川・江戸川
1位:新宿区(外国人比率14.7%)——「新大久保=韓国人の街」は、実はもう古い?

住民の約7人に1人が外国人。この密度、すごくないですか。
「新大久保=韓国人の街」というイメージを持っている方は多いと思います。
でも実際に数字を見てみると、新宿区で最も多い国籍は中国人(19,273人・37.6%)で、韓国・朝鮮籍は18.6%と2番目なんです。
そしてここ数年で急増しているとされているのがネパール人(5,399人・10.5%)とミャンマー人(3,373人・6.6%)。
新大久保周辺を歩くと、ハラール食材店やネパール料理屋さんが普通に並んでいて、街の多国籍感がさらに増しています。
イメージって、気づかないうちに古くなっていくものなんだろうなと思います。
2位:豊島区(外国人比率13.2%)——池袋にミャンマータウンがあるって知ってた?
豊島区の外国人38,409人のうち、最多はやはり中国人(16,742人・43.6%)。
でもそれと並んで注目したいのが、ミャンマー人(5,309人・13.8%)の多さです。
池袋の西口周辺には「池袋ミャンマータウン」と呼ばれるエリアがあって、ミャンマー系の飲食店や食材店が集まっています。知らなかった方も多いのではないでしょうか。
在日ミャンマー人コミュニティは1988年の民主化運動弾圧をきっかけに形成され、2021年の軍事クーデター以降、日本に留まる方がさらに増加したとされています(参照:東京新聞)。
数字の後ろに、それぞれの事情があるんですよね。
3位:荒川区(外国人比率11.5%)——下町に刻まれた、長い歴史
荒川区は、南千住・三河島周辺に戦前から在日コリアンのコミュニティが根付いてきた歴史があります。
今は中国人・ネパール人・ミャンマー人など多国籍のコミュニティへと変わってきていますが、その積み重なってきた歴史の厚みが、この数字の背景にあると考えられます。
住民の約9人に1人が外国人というのは、荒川区が長い時間をかけて育んできた多文化の蓄積とも言えるかもしれません。
10位:江戸川区(外国人比率7.5%)——「絶対数」で見たら23区で一番多い区

比率では10位ですが、在留外国人の絶対数は51,999人と23区トップ。
新宿区より多いんです。これは意外じゃないですか?
しかも注目したいのが、インド人(8,389人・16.1%)の多さ。中国人に次ぐ2番手がインド人、というのはかなり特徴的です。
特に西葛西エリアは「リトルインディア」とも呼ばれ、インド系の飲食店や食材店が点在しています。
インド人が西葛西に集まるようになったきっかけは、2000年問題への対応のため日本企業がインドからITエンジニアを招いたことで、大手町・茅場町など都心のビジネス街へ東西線一本で通える立地が選ばれたとされています。
その後コミュニティが形成されるにつれ家族を呼び寄せる定住者が増え、現在の「リトルインディア」へと発展していったんですね(参照:東京新聞)。
働く場所が、住む街を作る。そういうことなんだろうなと思います。
国籍別で見る外国人集住エリア(東京23区)
「外国人が多い街」と一口に言っても、どの国籍のコミュニティが根付いているかによって、街の顔はまったく変わります。
国籍別に上位5区を見ながら、なぜそこに集まるのか・行くとどんな街になっているのかを掘り下げてみます。
中国人が多い区 TOP5

中国人は23区の中でも特定のエリアに偏らず、23区全体に広く分散しているのが大きな特徴です。
1位の江東区(20,842人)から5位の板橋区(17,866人)まで差が比較的小さく、突出した”一極集中”が起きていないことがわかります。
なぜこれほど広く分散しているのでしょうか。
留学・技術職・経営・家族滞在など在留資格の幅が広く、それぞれの目的に応じて住むエリアが変わってくるため、特定の区に集中しにくいという背景があると考えられています。
同じ「中国人が多い区」でも、コミュニティの性格はエリアによってかなり異なります。
江東区や足立区では湾岸部の新しいマンション群に家族連れで定住するケースが多く、新宿区は留学生・飲食業従事者、板橋区はものづくり系の就労者が多いとされています。
韓国・朝鮮籍が多い区 TOP5

新宿区が1位なのは「新大久保」のイメージ通りとして、足立区が2位というのは意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
足立区に韓国・朝鮮籍の方が多い背景には、東武線沿線の手頃な家賃と、戦前・戦後から続く在日コリアンコミュニティの歴史的な集住があります。
新宿のような観光的な「コリアタウン」としての知名度はないけれど、地域に根ざした暮らしのコミュニティとして長年続いてきたエリアだとされています。荒川区(5位)の三河島周辺も同様で、数字の背後に日本と朝鮮半島の長い歴史が見えてきます。
ここで少し視点を変えてみると面白いことがわかります。
海外の移住ガイドサイトが「外国人に住みやすいエリア」として挙げるのは、港区・渋谷区・目黒区といった欧米系エクスパット向けのエリアです。ところが、在留外国人の比率データで上位に来るのは新宿区・豊島区・荒川区。
「住みやすい街」と「実際に外国人が多い街」は、東京の中でかなり住み分けられているとも考えられます。
ネパール人が多い区 TOP5

ネパール人はここ10年で最も増加が目立つ国籍のひとつです。
出入国在留管理庁の統計によると、2024年末時点で日本に在留するネパール人は233,043人に達し、前年から約32%増加しています。在留資格別では留学が最多で、飲食店シェフとしての技能ビザも多いとされています(参照:出入国在留管理庁)。
興味深いのは、新宿区だけでなく大田区・板橋区・杉並区など、比較的幅広いエリアに広がっている点です。
その背景には、飲食業・コンビニ・デリバリーといったサービス業への就労が多いという事情があります。
こうした仕事は東京全域に職場があるため、特定の区に集中せず、職場へのアクセスや家賃のバランスでエリアを選ぶ傾向があるとされています。
新大久保周辺を歩くと、ネパール料理店やハラール食材店が増えているのが実感できます。
かつての「韓国タウン」の面影を残しながら、街の多国籍感がさらに重なっていくような、独特の変化が起きているエリアだと思います。
ベトナム人が多い区 TOP5

ベトナム人は23区の東側・北側のエリアに集まる傾向があります。
江戸川区・足立区・板橋区といったエリアは、家賃が比較的手頃で、製造業・物流・飲食業などの職場へのアクセスが良いエリアです。
技能実習・特定技能ビザで来日した方が多く、出入国在留管理庁の統計によると2024年時点で日本の技能実習生全体の半数以上をベトナム人が占めているとされています(参照:出入国在留管理庁)。
職場の立地が住む場所を決める大きな要因になっていると考えられます。
近年は留学から就職・定住へというルートも増えており、ベトナム人コミュニティは今も拡大を続けています。
地図の上でこの分布を眺めると、「どこで働くか」が「どこに住むか」をそのまま決めているということが、じわじわと伝わってくる気がします。
まとめ——数字の向こうに、それぞれの暮らしがある
データを整理していて思うのは、「外国人が多い街」という言葉でひとくくりにするのが、だんだん難しくなってきているということです。
中国人が多い区、ミャンマー人コミュニティが急成長している区、インド人エンジニアが定住する区、戦前から続く在日コリアンのコミュニティが根付く区——それぞれ成り立ちも背景もまったく違います。
数字はひとつの入り口に過ぎないけれど、その数字を追いかけていくと、街の歴史や世界の動きまで見えてくる。
そういう面白さが、このデータにはあると思っています。
みなさんが暮らしている街や、気になっている街の数字はどうでしたか?
関東の他の県を見る
補足:数字を見るときに気をつけたいこと
比率で見るか、人数で見るかで順位は変わる
この記事では「外国人比率」を基準にランキングしています。なので、1位は新宿区になります。でも人数だけで見ると、実は江戸川区が51,999人で23区トップです。人口が多い区では、比率がそこまで高くなくても、在留外国人の人数は多くなります。ここは、数字を見るときに少し注意したいところです。
国籍別の数字だけでは、街の全部はわからない
国籍別の人数を見ると、「この区にはこの国の人が多いんだ」と分かります。ただ、同じ国籍でも、留学で来ている人、仕事で来ている人、家族で暮らしている人、長く日本に住んでいる人など、背景はさまざまです。なので、数字はあくまで入口です。そこから街の歴史や暮らし方を見ていくと、だんだん面白くなってくるのだと思います。
「外国人が多い街」といっても、中身はかなり違う
新宿区、豊島区、荒川区、江戸川区は、どれも外国人が多い街です。でも、新宿区の多国籍感、豊島区のミャンマー人コミュニティ、荒川区の歴史的な蓄積、江戸川区・西葛西のインド人コミュニティは、それぞれまったく違います。同じ「外国人が多い街」でも、背景まで見るとかなり印象が変わります。
データの時点は完全にはそろっていない
今回使っているデータは、在留外国人数が2025年6月末時点、住民基本台帳人口が2023年のものです。そのため、外国人比率は厳密な最新値というより、「23区ごとの傾向を見るための目安」として見てもらえるとよいと思います。
データ出典
・在留外国人数:出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年6月末現在
・住民基本台帳人口:総務省「統計でみる市区町村のすがた2025」(2023年)
※在留外国人数(2025年6月)と住民基本台帳人口(2023年)は調査時点が異なるため、実際の比率と若干の差異が生じる場合があります。
・西葛西リトルインディアの形成背景:東京新聞(2024年)
・在日ミャンマー人コミュニティの背景:東京新聞(2022年)